美容のプロに取材!60代からの肌のために備えたい「スキンケア&コスメ」は?

更年期を境に肌がガクッと落ち込んだり、急激な衰えを感じたり......。60歳からの美容は使うものやお手入れの意識を変えるとき。これからの肌のために備えておきたいスキンケア&コスメを美容のプロに取材しました。ぜひ参考に!

小林ひろ美/こばやしひろみ

美容家 58歳

美・ファイン研究所主宰。 楽しくできて効果の上がる技を編み出す達人。シミもシワも感じさせない透明感のある美肌が説得力の証。

小林照子/こばやしてるこ

美容研究家 87歳

コーセーで長年美容を研究、現役メイクアップアーティストでもある美容界のレジェンド。87歳とは思えないハリツヤ肌の持ち主。

50代以降は更年期の影響で肌も大きく変化。そこで小林照子さん、ひろ美さん母娘に、自身の経験とともにこの先の肌を美しく保つための心得と美容法を語っていただきました。

照子さん:若い頃の肌が順風満帆なのは女性ホルモンのおかげ。50歳までは特別なことをしなくても肌は元気でいられますが、更年期になると女性ホルモンが減り、うるおいもハリも保つことができなくなる。だからここからは、美容で〝自家発電〟をする努力が必要になってくるんですよ。

ひろ美さん:本当に50代後半からは急な下り坂!これが衰えというものか.....と愕然としました。

照子さん:特に実感するのは、うるおいが持続しないこと。血行が悪くなり、肌の内側から水分や栄養が供給されなくなることに加え、天然のクリームである皮脂の分泌が減るので肌は乾く一方。だから、朝晩のお手入れに限らず、 つねにうるおいを与え続けることが必要かもしれませんね。私も乳液をそばに置いて、肌が乾いたと思ったら重ねるようにしているの。

ひろ美さん:乳液を惜しみなく使うケアは私も幼い頃から自然と身についていて。絶対に肌を乾かさない!まずはこの点に集中すれば老けにくいというのは母から教わったことです。

照子さん:それと、血行が悪くなると、肌の内側に余分な水分や脂肪がついて、その重みで肌がたるみ、ほうれい線が目立つようになるの。むくみや澱みを流して、つねに巡りをよくしておくことがとても大切です。

ひろ美さん:50代後半になると、シワやシミよりもたるみやフェイスラインのゆるみといったフォルム悩みが深刻に。それに対処するには顔だけでなく、全身ケアするのが効果的です!

60代の肌に効果的なお手入れ法とおすすめコスメをご紹介。毎日のスキンケアに取り入れてみては?

代謝が鈍る大人の肌は「蒸し活」で血行促進を

「更年期は新陳代謝が鈍るので、血液の流れをよくすることを意識。それにはマッサージで外から刺激を与え、ホットタオルで温める『蒸し活』が効果的です。余分な水分や老廃物が流れるので、むくみやたるみもすっきり。血液の循環がよくなることで顔色も明るくなり、表情まで生き生きと 輝いて見えるようになりますよ」(照子さん)

クリームなどをたっぷりつけ、指先で肌を探るように顔全体を細かくマッサージ。肌をこすらないよう、やさしくタッチするのがコツ。「毛穴の詰まりも取れ、まぶたの腫れぼったさもすっきりします」

続いて熱めのお湯に浸したタオルを固く絞り、30秒ほど顔にのせる。濡らしたタオルをレンジで温めてもOK。「血行がよくなるうえに、スチーム効果で肌がほぐれ、毛穴の奥 の汚れもオフできます」

「巡らせる」&「重ねづけ」でうるおい満タンに!

「滞らせないことと乾かさないことが大切なので、巡りと保湿がケアの要。 1枚目の写真のチョキローラーで流れをよくし、もたつきがちなフェイスラインもケア。 2枚目の601円づけは、水分を肌の奥に届けるためのテクニック。化粧水を3回にわけて入れ込むことでうるおい満タンに!あとに使うものの浸透もアップしますよ」(ひろ美さん)

オイルなどをつけた状態で、チョキにした指を曲げ、あご先を挟んで耳の下まですべらせる。「耳の付け根 にある耳下腺は老廃物を流すゴミポケットなので、最後に軽くプッシュ」左右4〜5回行って。

化粧水を3回にわけて浸透させる。まず500円玉大を顔全体に。次に100円玉大を指先で軽く叩き込むように重ねづけ。最後は1円玉大をとり、手のひらで顔全体を包むように内から外へプレス。

『クウネル』2022年11月号掲載

写真/山本倫子(人物)、池田 敦 cask(静物)、取材・文/矢沢美香

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