生粋の和菓子好きである美術作家・岡美里さんが教えてくれたのは、 ほっと心が落ち着く、昔ながらのお菓子。ふたつの老舗が奏でるやさしい味は、お茶の時間を和やかに。
岡 美里/おかみさと
美術作家。東京墨田区生まれ、多摩美術大学版画研究室修了。横顔のポートレ イトをライフワークとし、これまで 描いた横顔は約1700人。ほか、さまざまな媒体にてエッセイなどの執筆活動も手がけ、多方面で活躍中。
小さい頃から和菓子好きという岡さん。「年齢を問わず楽しめるのが魅力」と、教えてくれたのは老舗和菓子店のもの。ゼイタク煎餅は、祖母との思い出が詰まったお菓子。
「祖母には私も含めた9人の孫がいて、 それぞれの好みに合わせて、よくお土産を買ってきてくれました。生クリー ムやチョコレートが苦手だった私には、 ゼイタク煎餅があてがわれて嬉しかった。昔ながらの手作り感や、変わらないパッケージが愛おしい。コーヒーと合わせて食べるのが大好きです」
旅先でも和菓子屋さんには必ず入店。今西誠進堂のくずバーとの出合いも偶然でした。 「以前、奈良で古墳巡りの旅をしていた時に見つけたくずバー。頭がキーン とならない冷たさに感動しました。食感は斬新なのに、吉野葛を使用したどこか懐かしい味。たっぷり果実もリッチです」。
「溶けて汁が垂れることがないので、お子さんがいるご家庭にも喜ばれそう。これからあたたかくなっていくので、 ひんやりやさしいスイーツを贈ってみてはいかがですか?」
●差し上げ菓子●
今西誠進堂のくずバー
●普段のおやつ●
重盛永信堂のゼイタク煎餅
『ku:nel』2021年9月号掲載
写真/近藤沙菜、取材・文/阿部里歩
●差し上げ菓子と普段のおやつシリーズ
◎フードスタイリストが欠かさずストックし、「ここぞ」というときに贈るスイーツとは?
◎菓子研究家・高吉洋江さんがプロの視点で厳選。老舗のおいしさ、喜ばれる贈りもの。
◎お菓子好きが太鼓判!『オーボンヴュータン』と『ジョエル・ロブション』の定番焼き菓子。
◎正統派のおやつには長く愛される理由があります。伝説のミルフィーユと行列のどら焼き。