在パリ約6年のクウネル・サロンメンバー松永加奈さんのフランスレポートが終わりを迎えます……。「長いようで短かった」というフランス暮らしですが、改めてお気に入りのスポットについて伺いました。「フランス便り」総括第1弾です!
日本へ本帰国することになりました。ついに、というかいよいよ、というか、5年8カ月のパリ生活が終わります。実は、引越すまで訪れたことがなかったパリ。なので、渡仏当初はガイドブック片手に観光名所やランドマークを巡っては「おぉ、これがあの!」とか「テレビで見たことある!」とか、完全に観光気分。当然、どれもこれも暮らしている間に日常の風景になりましたが、ずらりと並ぶ古い建造物や広い公園、そこでのんびりくつろぐ人々の姿は、最後まで変わらず「これぞパリ」のイメージのまま私の目に映っています。
/
パリを離れることになり、お気に入りの場所や見ておきたいものを訊かれることが増え、改めて「どこが好きだったかなあ」と思いを巡らす日々。そうそう戻ってくる機会も(きっと)ないので、エッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館…といった「大物」を押さえておきたいのはもちろんですが、家の近所やお散歩ルート、買い物帰りに休憩していた公園など、やはり生活に密着したスポットが印象深く、後に懐かしくなるだろうと思います。家族や友人が旅行に来た際には「普段の街の様子を感じてもらえたら」と、私の独断と偏見で、名所巡りの間にそういったスポットも案内。華やかな雰囲気だけではない、ごく日常の風景も楽しんでくれたようです。
/
ただ、街全体が綺麗に見えても、下を向けばゴミやワンコの落とし物で汚れていて、治安がよくないことも事実。危険な目に遭わないよう、常に緊張感満載で…というわけではありませんが、日頃から「隙がないよう抜かりなく」を心がけて暮らして来ました。残念なことですが、これも含めてのパリ生活なので致し方なし。パリを発つその時まで、忘れてはいけない注意事項です。
芝生を駆け回るワンコ、橋の下でヴァイオリンを奏でるムッシュ、手を振ってくれるお向かいのマダム…そんな見慣れた光景とももうすぐお別れ。慌ただしくなりそうですが、残りの日々もいつもと変わりなく、でも景色や空気感をちょっとだけ強めに胸に焼き付けながら過ごしていこうと思います。
/