キッチン周りを整える際、好みの雰囲気や愛用のアイテムで揃えられたら嬉しいですよね。趣向を凝らした場所でのお料理は自然と気分が上がるようです。今回は、みなくちさんの鉄素材を基調としたキッチンや、お気に入りのアウトドアアイテムについてご紹介します。
主宰するスタジオ兼ギャラリー、キッチンボタンは隅田川に近い下町情緒あふれるエリアにあります。
「もともとボタンの店だった物件をフルリノベーションしました。家具や什器は、一緒にフライパンのプロデュースをしている香川の鉄作家・槇塚登さんに依頼し、鉄をメイン素材にしたインダストリアルな雰囲気に。鉄は気持ちを込めて手入れをすれば、錆びることなく味になる。そんな生きている感じのするところが好きなんです」
幼い頃からキャンプに親しんできたみなくちさんは、キッチンツールもアウトドア仕様のものを好みます。
「アウトドアグッズは、実用的で満足度が高く幸せな気持ちに浸れる。そこが気に入っている理由です」
鍛造のフライパンディッシュは、調理器具と器を兼ねた優れもの。密閉性の高いナルゲンボトルは保存容器に。出汁を取る、もち米を浸水させるなど多用途に使えるのが魅力です。
いくつもコレクションしているヴィンテージのコールマンのクーラーボックスは、ワインクーラーに、ホールケーキの冷蔵にと大活躍。
みなくちなほこ
フードコーディネーター。キッチンボタン主宰。アウトドアの知識を生かし、鉄の作家・槇塚登氏とフライパンなど食回りの道具をプロデュースするほか、企業のレシピ考案も手掛ける。
『ku:nel』2021年5月号掲載
写真 奥田一平 取材・文 間中美希子
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