最新作『わたしの知らない子どもたち』映画監督・西川美和さんの心に残る、山田太一さんの鋭い指摘

西川美和さん

読んだり、聞いたときに、何かの気づきがあり、視点を変えてみるきっかけになった言葉。そして、その後の生き方の指針となった言葉。それぞれの人の人生に伴走する、大切にしている言葉を聞きました。

マイナスを許容する感情も育てていかなければ

西川美和さん 山田太一

作品を作るごとに作り手の先輩が書いたものを読むと、見逃していた視点や鋭い指摘に気付かされます。山田太一さんのエッセイには、ドラマ作品だけでは伺い知れない、内省的で厳しい言葉が綴られています。

この文が書かれたのは1984年。価値観が変わりマインドセットの転換が求められた時代の言葉は、今に通じるものがありますよね。マイナスが排除されていくのは正しいことですが、人間社会ですべてをプラスにすることは不可能。

どんなに仕組みやルールを整えても、はみ出してしまう感情のようなものはなくならない。社会が公正になるのはいいけれど、同時に負の受け皿になるものや、マイナスを許容する感情も育てていかなければいけないんだろうな、と感じています。

PROFILE

西川美和/にしかわ・みわ

映画監督 51 歳

代表作に『ゆれる』、『夢売るふたり』『永い言い訳』、『すばらしき世界』など。戦後に残された孤児と教師を描いた最新作『わたしの知らない子どもたち』が10月16日(金)全国公開。

『クウネル』2026年7月号掲載
写真/YUJI TAKEUCHI BALLPARK、取材・文/吾妻枝里子

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『クウネル』NO.139掲載

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