昆布は今が旬! 滋養スープ、余った野菜で作る和風ナムル、昆布締めの”あっという間レシピ”3選【料理連載Vol.2】
ありふれた食材で調理法もシンプルなのに、「野菜ってこんなにおいしかったっけ!?」と新鮮さと驚きを与えてくれる内山ゆきさんの料理。この連載では、旬の食材と発酵の力を取り入れたレシピをメインに、素材の選び方、体にいい組み合わせ、料理をおいしくする調理のコツなどをお届けします。今回は昆布を使った簡単レシピ3選をご紹介!
目 次
PROFILE
内山ゆき/うちやま・ゆき
料理家
東京・外苑前のレストラン「iRo(イロ)」を主宰。食にまつわるプロデュースを手がけるほか、料理教室も人気。懐石料理の教室を開いていた母の影響で食物学、発酵、植物を学び、料理に関わること約50年。旬の食材にこだわり、素材のうまみを引き出す料理は食通の間でもファンが多い。
昆布をもっと食卓に。料理の幅が広がります!
昆布はまさに夏が旬、ってご存知ですか?
冬から春にかけて海でゆっくり成長し、夏に収穫の最盛期を迎える昆布。台所に昔からある身近な食材なのに、出汁をとるだけではもったいない! 昆布は旨み成分の「グルタミン酸」が豊富で、発酵食品の味噌やしょうゆにも通じる食材。アルギン酸やフコイダンなどの水溶性食物繊維は善玉菌を育てて腸内環境を整え、「おいしい」と「健やか」を支えてくれるスーパーフードでもあります。
そこで今回は、簡単&失敗なしの「水出し昆布出汁」をベースにした滋養スープと、出汁をとったあとの昆布を活用する「和風ナムル」、そしていろいろな食材を挟むだけで楽しめる「昆布締め」の3品をご紹介します。
レシピ1:「クコの実と黒こしょうの滋養スープ」
クコの実もビタミンCや抗酸化成分豊富なことで知られるスーパーフード。
昆布の穏やかな旨みに、クコの実のほのかな甘みと黒こしょうの香りを重ねた、体にやさしいヘルシースープです。昆布を水につけて旨みをゆっくり引き出した、失敗知らず!の昆布出汁を使います。
「水出し昆布出汁」を作っておけば、温めるだけですぐ完成! 残った出汁は煮物などにも活用できる。
【材料(2人分)】
水出し昆布出汁…400mL
クコの実(乾燥)…約10粒
塩…小さじ1/3
黒こしょう…少々
【作り方】
1_まず、水出し昆布出汁を作る。昆布の表面の汚れを固く絞った布巾などで軽く拭き、保存容器などに水1L、昆布10〜15g(分量外)を入れる。冷蔵庫でそのまま6時間ほど置き、昆布を取り出せば完成。
2_クコの実は少量の水に5〜10分浸して戻しておく。
3_鍋に水出し昆布出汁とクコの実を入れ、沸騰させないように温める。
4_塩で味を調え、器に注いで黒こしょうをふる。
\Point/
水出し昆布出汁は朝使うなら前日の夜に、夜使うなら朝に仕込んでおくと便利。急ぐときは、涼しい場所で1〜2時間置いてもOK(気温の高い季節は冷蔵庫へ)。冷水に昆布の旨みがゆっくりと溶け出す水出しは、すっきりと上品な味わい。昆布は80°C以上で煮ると粘り成分や苦味が出やすいので「沸騰させない」が基本です。
レシピ2:「野菜の切れ端de和風ナムル」
使いかけの野菜の切れ端が立派な1品に早変わり。
出汁をとったあとの昆布を無駄なく、おいしく活用できる一品です。火を使わずに、冷蔵庫にある野菜の切れ端でさっと作れます。昆布が入ることで和の味わいに。昆布の食感もいいアクセントになります。
野菜はなんでもOK! できれば旬のもので季節らしさを取り入れて。
【材料(2〜3人分)】
出汁をとったあとの昆布…50〜60g
葉野菜、にんじん、ピーマン、みょうが…約150g
A)
塩…ふたつまみ
ごま油…大さじ1
しょうゆ…小さじ1/2
炒りごま…小さじ2
【作り方】
1_昆布は水気を拭き、昆布も野菜も食べやすい長さの細切りにする。
2_ボウルに1を入れ、Aを加えてよく和える。10分ほど置いて味をなじませる。
\Point/
空気を含ませるようにふんわり混ぜると、塩、ごま油、ごまがまんべんなくきれいに混ざります!
レシピ3:「野菜と魚のいろいろ昆布締め」
旬の野菜も昆布締めにするとふくよかな味わいに!
いろいろな素材を昆布で挟むだけのシンプルな昆布締め。食材の余分な水分が抜けて旨みが凝縮し、同時に昆布の旨みが食材へ移ります。旨みが重なり合うことで味わいに奥行きが生まれ、魚の水分もほどよく抜けるため、ねっとり、もっちりとした食感に。
白身魚と旬の野菜を一緒に昆布締めに。
【材料(作りやすい分量)】
昆布…幅5〜6cm、長さ15〜20cmのもの3枚
鯛(刺身用)…150〜200g
なす、チンゲン菜、厚揚げ…適量
日本酒…大さじ1
塩…少々
【作り方】
1_白身魚は5mmほどの厚さに切る。チンゲン菜はさっと茹でて冷まし、水気をしっかり絞る。厚揚げは熱湯をかけて油抜きし、水気をよく拭いて5mm程度の食べやすい大きさにカットしておく。
2_3枚とも昆布の表面に日本酒をかけ、布巾やキッチンペーパーで軽く拭いて少ししんなりさせる。
3_昆布の上に重ならないように鯛を並べ、塩をふる。
4_昆布を重ね、野菜や厚揚げを並べ、こちらにも塩をふる。
\Point/
野菜は、大根やかぶ、きゅうりなどもおすすめ。その場合は薄切りにします。鯛以外の白身魚にもよく合うので、いろいろな食材を試してみてください。
5_昆布を重ね、ラップで隙間なくしっかり包んだ状態で冷蔵庫で2〜3時間置く。
6_昆布から食材を外し、器に盛る。
\Point/
そのままでもおいしいですが、わさびやしょうが、好みのビネガー、ごま油、オリーブオイルなどを少量添えると、和食にとどまらない自由なひと皿になります。魚は必ず刺身用の新鮮なものを使い、2〜3日中にいただきましょう。
昆布は主張しない食材ですが、相手の食材を引き立ててくれる名脇役。昆布を知ると、料理はもっと自由になります! 最後に昆布の種類と使い分けをまとめました。もし、スーパーで1種類買うなら、使い勝手のいい日高昆布がおすすめ。ぜひ日常的に取り入れてみてくださいね。
知っておきたい、昆布の種類と使い分け
日高昆布
昆布の中でも比較的早くやわらかくなるため、出汁をとるだけでなく、煮物や昆布巻きなど、昆布そのものを食べる料理にも便利です。
利尻昆布
澄んだ上品な出汁がとれ、香り高く、すっきりとした味わい。素材の風味を生かす京料理にもよく使われます。
真昆布
上品な甘みがあり、旨みと香りのバランスに優れています。お吸い物や湯豆腐など、シンプルに出汁を味わう料理におすすめです。
羅臼昆布
香りも旨みも濃厚で、コクのある出汁がとれます。鍋料理やしっかりとした味わいの煮物などにも向いています。
写真/Mio Moriyama