年末年始はどうしてもごちそう続き。おまけにステイホーム中で運動不足気味……。ちょっと体が重くなったという方も多いかもしれません。食生活を見直し、すっきりボディを目指したいという方におすすめのダイエット食材を紹介しています。作家で料理家の樋口直哉さんがおいしい食べ方を伝授。2回目は白米の20倍もの食物繊維をもつという麦を取り上げます。
麦は玄米より食物繊維が豊富で、米よりカロリー低め、糖質吸収を抑える大麦β -グルカンを含むと注目されています。種類別に使い分けを。
「麦飯やリゾットには、押麦。蒸してつぶしてあるので浸水が不要です。も
ち麦は、もっちり感が特徴。今回はスープに入れとろみも利用します。丸麦は周りが削られているので、あっさり上品。パスタのように茹でて使います」
麦飯の場合、麦の袋のレシピでは、米に足す麦の分量が示されているのが大半ですが、樋口さん式に出来上がり量を目安にgで測ると簡単。料理法も更新して、楽に食材を生かそう。
もち麦のボルシチ風
●材料(2人分)
もち麦…20g
舞茸…2パック
玉ねぎのみじん切り…1/2個
ニンニクのみじん切り…1片分
オリーブオイル…大さじ1
ビーツ水煮(市販品)…2〜3個
白インゲン豆…125g(1/2 缶)
トマトソース(市販品)…200ml
水…500ml
塩…小さじ1/4
ギリシャヨーグルト…適量
●作り方
1)舞茸は鍋の底などを重しにして、フライパンに押し付けるようにして香ばしく焼く。塩(分量外)を好みで振っておく。
2)玉ねぎとニンニク、オリーブオイルを鍋に入れ、中火で炒める。甘い香りがしてきたら、ビーツ、白インゲン豆、トマトソース、もち麦、水を加える。沸騰してきたら弱火にし20分煮る。
3)仕上げに①の舞茸を入れて軽くなじませたら、塩で味をととのえる。盛り付け、好みでヨーグルトを添える。
丸麦のタブレ風サラダ
●材料(2人分)
丸麦…40g
カブ…70g(小1個)
ラディッシュ…40g(3個)
ブロッコリー…40g(2〜3房)
オリーブオイル…大さじ2
ギリシャヨーグルト…大さじ1
レモン汁…大さじ1
塩…小さじ1
●作り方
1)丸麦は塩(分量外)を入れた熱湯で20分茹でて、ザルにあげる。
2)野菜は麦の粒の大きさを目安に小さく切り、すべての材料を混ぜ合わせる。
押麦の麦めし
●材料(2合分)
押麦…50g
米…240g
昆布 …4g
●作り方
樋口さん式では、押麦は全体の2割が目安。分量の比率はこれを常に応用すればOK。30分吸水させてから炊く。昆布を入れて炊くと旨味が足されるのと、昆布の食物繊維のおかげで冷めてもしっとり感が保てる。
樋口直哉/ひぐちなおや
作家、料理家。服部栄養専門学校卒業。フランス料理店や料理教室などで修業する。2005年『さよなら アメリカ』で群像新人文学賞を受賞。料理に関する著書も多く本誌連載も好評。近著に『新しい料理の教科書』『おいしさの「仕組み」がわかる料理のキホン』。
『ku:nel』2020年3月号掲載
写真 伊藤徹也 /取材・文 原 千香子