浅田美代子さんの“得意料理を増やす方法”とは?「料理でも何でも、創作することって楽しいですね」
ファッションも暮らし方もセンスのいい あの人のいつもの食事を拝見。浅田美代子さんのいつものごはんは、和食中心。その理由とこだわりのレシピとは?
PROFILE
浅田美代子/あさだみよこ
1956年東京生まれ。’73年のデビュー以来、TVドラマや映画に多数出演。近年は数々の話題作の映画で活躍する旁ら、捨て犬、捨て猫、犬猫の虐待防止など、さまざまな動物愛護団体への支援活動をライフワークにしている。著書に『ひとりじめ』(文藝春秋)がある。
炊きたてのごはんがあれば幸せ!作る工程も楽しむ和食が中心
料理にも食べることにも目がない浅田美代子さん。いつもお昼頃になると、晩ごはんは何にしようかと、マーケットで買うものや冷蔵庫の中にあったものなどを思い浮かべます。
「デリをテイクアウトすることもありますが、どうしても味が濃く感じてしまいます。だったら自分で作ったほうが手軽だしおいしい」
3匹の愛犬たちの世話をしていると、家を空けるのが面倒に思うこともあって、無闇に外食はせずに大抵は家で作って食べる生活です。朝は昼と兼用の簡単な食事を取って仕事に出掛け、落ち着いてキッチンに立つのは帰宅した後。イタリアンや中華は外食のほうがおいしいからと、ひとりのごはんのときに作るのはほとんどが和食です。
「料理をするようになったのは実家を出てからですね。それまでは母の作っているところを見てはいましたが、自分では手を動かしていませんでした」
食べることが好きだから、自分でも作りたい。それがおいしければもっといい。その気持ちが、母の味を受け継ぐ、料理上手に教わる、友達の家でおいしいものをご馳走になると作り方を聞く、レストランのメニューで舌に合うと感じたら質問をするなど、得意料理を増やす行動につながっていきます。
「料理を作ることは一種のクリエイティブ。創作するって楽しいでしょう?」
ときどき再現する思い出のひと品、母直伝のいなり寿司
母は料理が上手でした。よそ行きのじゃなくて普段のごはんがおいしかった。たとえば唐揚げ。当時は肉を味付けしてから揚げるのが主流でしたが、母はそのまま片栗粉をまぶして揚げ、食べる人が好みで塩やしょうゆをつける。高温でカラッと揚がっているのが香ばしくて好きでした」
そのレシピは浅田さんに受け継がれ、今では年下の友達にリクエストされるほどの人気メニューです。「このいなり寿司も母から教わったもの。遠足とか行事のときによく食べました。作り方は簡単で、ポイントは酢飯に刻んだ紅しょうがを混ぜること」
ぬか漬けも亡き母から受け継いだ、30年もののぬか床で作っています。 「ぬか味噌はその家ごとの味があるでしょう。うちはシンプルに唐辛子としょうがだけ。ここまで古くなると毎日混ぜなくても大丈夫。さっぱりしていて、昔から食べているからよく知っている安心の味。発酵物は体にもいいし、毎日の食事の付け合わせに最適です」
腕が未熟だった20代の頃は、料理が得意な主婦の人の家に友達と通っていました。習った料理のレシピをメモしておき、再現したりアレンジしたり。また、雑誌で目に留まった料理記事の切り抜きをファイリング。親から受け継いだ味以外にも、そうやって少しずつレパートリーを増やしていきました。
浅田さん流いなり寿司の作り方
油揚げは半分に切り、油抜きしてから、砂糖(三温糖)少々と「昆布八方」だしで煮る。米2合を炊いて、酢を少々入れる。市販の紅しょうが(1袋)を細かく刻んで混ぜて、握る。煮た油揚げを軽く絞り、酢飯を入れる。
『クウネル』2023年7月号掲載
写真/加藤新作、ヘア&メイク/新井克英、取材・文/綿貫あかね、編集/黒澤弥生
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『クウネル』No.121掲載
料理好きな人のいつものごはん
- 発売日 : 2023年5月19日
- 価格 : 980円 (税込)