家族が増えたことで、思い切って部屋も増築。「インテリアを考えるのが楽しい」という、素敵なフランス人マダムの部屋を訪ねました。
中心部から離れていても、学校や公園、個人商店やマルシェもあり、ファミリー層に人気が高いパリの15 区。
マリーポール・ミンチェリさんは、この地区に、なんと45年住んでいるといいます。 「今の部屋は 25 年前に借り、途中で売りに出て、比較的安かったので購入しました。そして子供が3人になった頃、タイミングよく隣の部屋が売りに出たのでそちらも購入。広さが一気に、倍の200㎡になりました」
壁を壊してワンフロアにしたものの、ふたつの部屋のレイアウトを生か し、片側を息子ふたりの部屋、片側を娘と夫婦の寝室にし、ふたつのキッチンは、片方をランドリールームにリノベイト。
「内装にはシンプルな素材やニュートラルな色を選びました。ファッションと同じですが、永遠の定番的なものをベースにして、少し差し色を加えるのが好きです」
整理整頓が、気持ちよく過ごすための秘訣と語るマリーポールさん。どの 部屋も素敵ですが、一番のお気に入りは、「寝室です。広さも 40 ㎡あるので、ソファを置いたり、好きなライトやラグ を選び、自分の世界観にしました」
ヘリンボーンの床と天井のモールディングのエレガントな白い空間に、シ ックなファブリックがぴったりです。
「子供が全員独立したら、パリの中心地でテラスがある部屋に引っ越した いですね。ガーデニングを楽しんでみたくて」
マリーポール・ミンチェリさん
Marie Paul Minchelli/ERESクリエイティブ・ディレクター。プリンセス タム・タムなどを経て、高級下着ブランドERESに11年勤めている。子供3人と夫と15区のアパルトマンで暮らす。
『ku:nel』2019年9月号掲載
写真 篠あゆみ/コーディネート 石坂紀子/文 今井恵