【フランス流生き方4・後編】趣味で始めたカーテン作り。いつかは本業にして田舎暮らしができたら……。

ロランス・サラベリー

パリのブティックに長年勤めるロランス・サラベリーさん。今は副業にしているカーテン作りを本格化させ、ボルドーなどの田舎で暮らしてみたい、という将来のビジョンや、日々をご機嫌に保つコツなどを伺いました。【前編はこちら】

Laurence Sallaberry
ロランス・サラベリーさん

イタリア・フィレンツェの老舗帽子ブランド『GREVI』の責任者。南仏トゥールーズから17年前にパリに移り、現在はパートナーの男性と同居。未婚。

流行を追いすぎず、良いものを長く愛用し、ファストファッションを賢く取り入れるというロランスさん。彼女のおしゃれを語るうえで、もうひとつ重要なポイントは……。

ロランスさんのワードローブに欠かせないのが帽子。仕事柄もあってか、帽子は80個ほど持っています。
「とくに冬は必ずコーディネートに帽子を加えます。 帽子を被る時は手袋もつけるのが私なりのルール」

ロランス・サラベリー
個性的ながら もファッションに取り入れやすい帽子が見つかる『GREVI』。

そんなロランスさんには30年前からパートナーがいます。職業は警察官。一緒に暮らしてはいるけれど、結婚はしていません。
「一日中外で働いているので、子供を作ってもひとりぼっちにさせてしまうのでは?と考え、ふたりで話し合い、作らなかったのです」
仕事は日曜日と月曜日が休み。日曜日は掃除をしながら家で過ごすのが好きだとか。
「暮らしの中には香りがとても大切だと考えています。部屋をきれいに掃除して、クローゼットの中には香りのいい紙を敷き『ディプティック』や『ジョー・マローン』のルームフレグランスをスプレー。私自身がお気に入りのフレグランスは『メゾン フランシス クルジャン』『MONTALE』。フレグランスだけでなく、全身からいい香りがするようにボディローションもフレグランスラインから選んでいます」

長年勤めるブティック『GREVI』の店内。大きなアンティークの家 具がカウンターになっている。

日曜日の夜、掃除を終え、アイロンをかけ終わると、初めてリラックスタイムが始まります。そして月曜日は街に出て買い物をしたり、マッサージに行ったり。
「昔は夜、おしゃれなレストランでディナーをとるのが好きだったけど、最近は彼と週末に出かけるぐらい。近所の家庭料理の店やイタリアン、和食などが多いです。平日は家で済ませることが多く、だいたい23時には寝てしまいます」
朝はお店のオープンが11時なので、比較的ゆっくり過ごせます。仕事に出かける前に縫い物をしたり、ショッピングをしたり。
「朝の方が元気だから、やらなければいけないことは午前中に済ませることが多いですね。お店にも30分かけてゆっくり歩いて行くんです。それも私にとって大切なリラックスタイム。パリは歩くのが楽しい街で、ある日思いがけず、通りに面したドアが開いていて、キレイな中庭が見えたり、空や光によって街が全然違う風景に見えたりする。それがとても楽しい。毎日、新しい発見があるんです」

中庭に面した静かなベッドルーム。

ロランスさんは日々の小さなことに幸せを見つけるタイプ。散歩して清々しい空気を吸う、天気がよくて暖かい、太陽を浴びて気持ちがいい。ひとつひとつは些細であっても、それによって幸せと感じるのだとか。
「休みが取れると思い切り自然に浸りたいので、南フランスのバスク地方に行きます。友だちや親戚もいるし、ビーチがある素敵なところ。休める場所があるから、パリでは仕事に没頭できるのかもしれません」
そして近い将来、パートナーとボルドーに引っ越したいと考えています。警察官という職業柄、パートナーはそれも可能なんだそう。
「ボルドーはパリから電車で3時間の街。パリは残念ながら家賃が高すぎます。ボルドーなら今の倍の広さや周りの環境も選べますから。もう少しゆったりとした暮らしが実現し、インテリアなどを考えることができるのが魅力ですね。あちらに住んで、今は副業にしているカーテン作りを本格的に稼働させて、パリに時々製品を販売に来る生活が実現したら最高です」

あれもこれもと求めすぎないことが、フラストレーションをためないコツよと、別れ際、チャーミングに微笑みました。

ロランス・サラベリー
ロランスさんが手作りしたカーテン。

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