【フランス流生き方4・前編】ファストファッションを混ぜつつ、流行を追いすぎず良い服を長く着るファッションスタイル。

ロランス・サラベリー

ファッションの本場・フランス。マダムたちの自然体かつ、エスプリの利いた着こなしは、いつも私たちの憧れ。そのお洒落さの秘密は?ファッションが大好きというロランス・サラベリーさんにインタビューしました。

Laurence Sallaberry
ロランス・サラベリーさん

イタリア・フィレンツェの老舗帽子ブランド『GREVI』の責任者。南仏トゥールーズから17年前にパリに移り、現在はパートナーの男性と同居。未婚。

パリに暮らして17年。その前は南フランスのトゥールーズで暮らしていたという、ブティックに勤務するロランス・サラベリーさん。
「17年間、同じ場所にあるブティックで働いているんです。最初は小物のセレクトショップ。9年前からはイタリアの帽子屋さん『GREVI』になりました。とにかくファッションに関わる自分の仕事が好きなんです。接客はもちろんのこと、ウインドウディスプレイを考えたり、在庫の整理をするのも好き。苦手なのは一年に一度ある棚卸しぐらいです」

ロランスさんの通勤風景。勤めているブティック『GREVI』のキャスケットに、コートは10年前から大切に着ている『ET VOUS』、マフラーとバッグは最近購入した『JAMIN PUECH』。パンツは『ZARA』。

ロランスさんは子供の頃からとにかくファッションが好きでした。小さい頃に誰もが遊ぶバービー人形の洋服も、全部自分で縫っていたのです。
「私の祖母がお針子さんでした。とくに教えてもらったわけではないけれど、祖母の仕事を見ていたので、自然に裁縫を学べました。プロの手法ではない自己流ですが、今もスカートやワンピースなど、バカンス先で着るカジュアルな服は手作り。好きな布を自分で選び、パターンを引き、ミシンで縫ったり、ボタンをつけて……」

あくまで素人と謙遜するロランスさんですが、実はその技術はカーテン作りを趣味とするほど。しかも自分の家だけではなく、最近はインテリアデザイナーからの発注を受け、個人のクライアント用にも製品として卸しているのだとか。
「カーテンは作り方の要領を覚えてしまえば、ミシンは基本直線縫いなんです。でもありきたりのものではなく、刺繍やパッチワークでオリジナリティのあるデザインにするのが私流です」
頭の中に浮かんだモチーフを組み合わせ、あれこれ考えながら針を動かす時間が何より好き。その絵柄は、時にゴルチエやドルチェ&ガッバーナのフリルのスカートを見て、インスピレーションを得ることもあるそうです。

80 個以上はあるという帽子のコレクションの一部。1 年を通じて、帽子は必ずファッションに取り入れている。

ファッションのエキシビションにもマメに足を運びつねに最先端を目にしているロランスさん。ご自身のファッションポリシーは、「ゴルチエやガリアーノが大好きで尊敬しているけど、実は高くてあまり買えません。ワードローブには『イザベル・マラン』や『YOSHI KONDO』『Dice Kayak』の服が多いです。ファッションはつねに変わるので、手持ちのワードローブに新しく買ったアイテムでシーズン性を持たせるように工夫しています。トレンドは毎シーズンの始めにチェックしているけど、ほんの少しずつ取り入れて自分のスタイルにします。あまり流行を 追いすぎないのも、ファッションを楽しむコツだと思いますから」

基本は長く着られるように、いい素材のものを選びます。ワードローブの中には20年以上キープしているものもあるのだとか。そしてベーシックなアイテム、たとえば黒のパンツなどにはファストファッションも賢く利用しています。『ユニクロ』、『ZARA』、『H&M』などがよく利用しているブランド。

イヤリングを収めたケース。大振りなイヤリングは夏の定番アクセサリー。

「あとはアクセサリーが大切。私の場合、冬は長いネックレスのみ、夏は大ぶりのイヤリングのみ、とルールを決めています。なぜなら私らしさが保てて、顔立ちや体形に似合うと思うから。そのバリエーションはかなり豊富です。洋服がシンプルでもアクセサリー次第で、ただのセーターとジーンズがおしゃれに変わりますから。好きなアクセサリーブランドは『GAS』や『エラ・ストーン』です」

後編につづきます

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