【石川博子さんの好きなもの】「好き」を再確認できたスリッパ

石川さんの好きなもの

心の支えとなっているもの、暮らしで頼りにしているもの。「愛するもの」についてのストーリーを語っていただきました。

雑貨店『ファーマーズテーブル』をオープンして37年になる、オーナーの石川博子さん。定番商品のひとつが、『ワランワヤン』のモロッコの革製スリッパ、バブーシュ。石川さん自身も愛用して20年以上経つのだとか。

石川さんのバブーシュは、2年ほど愛用中という
石川さんのバブーシュは、2年ほど愛用中。元のベージュが飴色になり、革が柔らかく足になじんでいるそう。愛犬のアデと一緒に。

「いいスリッパを探していたときに、 バブーシュに出合ってからはこればかり。モロッコの1人の職人さんが手縫いで作っているから、1日に1足作れないことも。でも時間をかけて丁寧に作られているので、作りがしっかりしていて、今履いているものは、2年は履いていますが、ステッチも全然ほどけません」

「決して安いものではないので、 1年も履かないうちにボロボロになってしまったら、納得できないですよね。 最初に買ったバブーシュは、5年くらいは履いていたと思います。自分も使っているから、使い込んだうえでの良さを人にも伝えられます」

心地がいいものと長く付き合いたい/ 

バブーシュは、モロッコ の1人の職人がすべて手縫いにこだわって制作したという
バブーシュは、モロッコ の1人の職人がすべて手縫いにこだわって制作。 クロス模様が手刺繍されたこのタイプは、次回の入荷は未定だそう。

石川さんはバブーシュの手作りならではの形と、使うほどに味が増すところが気に入っているそう。

「アンティークが好きな理由と同じですが、使っていくうちに表情が変わり味が出るものが好き。革は履いているとどんどんシワができて、足になじむのがいいですね。今これを作っている職人さんは1人しかいないから、その人がいなくなったらもう買えない。でも、同じものを作ってもつまらないし、 次も素敵なものを考えてくれるという信頼が『ワランワヤン』にはあります」

来客用のスリッパは、お店で長い間扱っていたかごに立てて入れて玄関に置いてあるそう
来客用のスリッパは、お店で長い間扱っていたかごに立てて入れて玄関に。両足の形が少しふぞろいなペアがあるのもご愛嬌。

好きなものはそんなに変わらないという石川さんの<好き>の基準は?

「心地がいいことですね。最初にものと出合うときは、使っていないからわからない。好きだなと思ってまず自分で使ってみると、意外と使い勝手が悪いものもあるんですよね。そんなときは作り手の意図を聞いたり、デザインが好きだからと受け入れることも。使ってみた感想はぶつけるだけぶつけるんです。ものを通して、言葉のキャッチボールをするのも好きですね」

『クウネル』2022年7月号掲載

写真/鈴木静華、取材・文/赤木真弓

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