お気に入りに囲まれてワクワクしたり、家族や友人と心豊かな時間を過ごしたり。 自分なりに心地よく暮らすための部屋作りについて、日々を素敵に楽しむ女性たちを取材。 前編に引き続き、矢野トシコさんの住まいの工夫や暮らしぶりをお届けします。
矢野トシコ/やのとしこ
ヘア&メイクアップアーティスト
広告、雑誌撮影を中心に活動。 その人らしさを引き立てるメイクに女優や著名人から支持を受ける。仕事柄、アーティストとの親交が深く、音楽にも精通。便利でいてのどかさもある世田谷の街に暮らす。
矢野さんの暮らしを豊かにする内の一つに、和のたしなみがあります
音楽と友人との食事のほかに、もうひとつ。矢野さんの暮らしを豊かにしているのが和のたしなみ、着物と茶道です。40代からはじめた茶道は実に30年以上。引っ越しから2年ほど経ったころ、建築士である甥に相談して茶室をしつらえます。
静謐さと温かみが漂う空気はそこにいるだけで心が落ち着き、整ってくるよう。
「窓から中庭が見えて春は新緑を、秋は紅葉を眺めることができるんです。 冬に雪が降ると、雪景色も楽しめて」 と、四季の美しさを味わえるなんとも 贅沢な空間です。
さらに甥からのアドバイスで玄関にもひと工夫。ドアを開けた正面の窓をリフォームして障子を入れ、和の雰囲気を演出。廊下、茶室へと和の趣きでつながる空間はお茶会に招いたお客さまからも評判です。
「この玄関の障子に使っている木の枠と同じものを、茶室のエアコンの目隠しにして統一したり、茶室の窓辺の上から温かい灯りがこぼれるようにするなど、甥がいろいろとアイデアを考えてくれました」
出張や長時間の撮影もあるハードなヘア&メイクの仕事をこなし、家では趣味の時間と大事なものに囲まれて暮らす。メリハリのある生活が矢野さんのパワーを支えているのでしょう。
都心ながら周りに畑も多い今の家は「露地栽培の旬で新鮮な野菜や花が手に入る。この環境も暮らしの楽しみを広げてくれているひとつですね」。
\他にも素敵なスポットが/
『クウネル』5月号掲載
写真/加藤新作&奥田一平(クリスさん)、取材・文/薄葉亜希子(矢野さん、伊藤さん)、 原 千香子(宇佐見さん)、間中美希子(クリスさん)、編集/原 千香子&河田実紀