おしゃれな着こなしや自然体のライフスタイルに注目が集まる結城アンナさんが、クウネルサロンで連載をスタート!「この年齢になったからこそ思うんです。『人のために何かできることはないかしら』『がんばっている人を応援したい』『インスピレーションが湧くような事や人に出会いたい』」と、結城アンナさんは言います。この連載では、そんなドキドキワクワクするインスピレーションの扉を結城アンナさんと一緒にノックします!
第2回は、初回 アートが教えてくれること/前編 に続いてのアートへの思い、後編です。
結城アンナ/ゆうきあんな
1955年、スウェーデン生まれ。10代からモデルとして活躍。夫は俳優・岩城滉一氏。60歳を迎え芸能活動を再開。自身の著書やSNSで心地よいライフスタイルやファッションを発信。そのシンプルで自然体な暮らし方は世代を超えて支持されている。現在は雑誌のカバーモデルなど多方面で活躍中。新刊著書『Anna’s Cookbook 季節の食卓』(主婦と生活社)3月4日発売(予定)。
Instagram@ayukihouseも人気。
グランマ・モーゼスの祈りの声が聞こえてくるような「美しき世界」に心惹かれます。
現在、世田谷美術館で開催されているグランマ・モーゼス展。そのアンバサダーを務める結城アンナさんが、彼女の作品のなかでも、最も好きな絵が『美しき世界』(上・画像)だそう。
「夕暮れなのか朝なのか、ピンクの空と光と、人がいない静かなこの風景を見ると、『神様ありがとう』という彼女の祈りが聞こえてくるような気がします。
皆さんも、美しい風景に出合うと自然の恵みに感謝する気持ちが湧いてくるときがあるでしょう? 『グランマ、あなたもそういう気持ちでこの景色をずっと見てきたんですね』と、心が通じ合ったような感覚になります」
結城アンナさんは何より、グランマ・モーゼスの絵を見ると心が穏やかになって安心すると言います。
「自然とともに生きるシンプルな生活。村の仲間みんなでシロップやアップルバターを作って、若い人たちはそこでロマンスが生まれたのかな?なんて想像も膨らんで。もちろん、苦労もあったでしょうけれど、こういう生き方って素敵だと思いませんか?」
なんでも便利になった今の世の中とは相反する世界が、グランマ・モーゼスの絵にはありました。現代の早いペースに乗ること、新しいものについていくことは、クウネル世代、そして結城アンナさんもなかなか大変です。
「最近はセルフレジのお店も多くなりましたよね。カフェに入ればメニューも紙ではなくてデジタル化されていて、自分のスマホでオーダーしなくちゃいけなくて、間違ったボタンを押しそうになってその度にドキドキしたり。やりとりはメールで早く返信しないといけないし、パソコンの調子が悪くても、知識がないと直せない。
若い人には簡単で便利なことなのかもしれないけれど、私にとっては緊張する場面が多くて、かえってストレスを感じてしまうんですよね」
年齢なんて関係ない、自分なりに人生を楽しめばいい。
目まぐるしい生活の中で、グランマ・モーゼスが描く、人々の素朴な暮らしや美しい季節の移ろいを見ていると、「そんなに焦らなくて大丈夫よ」「世界には美しいものがたくさんあるのよ」と、絵が語りかけてくれるようだと結城アンナさん。
「時間がゆっくり流れるような感じがして呼吸がラクになるんです。
70代で絵を描きはじめ、80歳を過ぎて成功した彼女自身の人生と重ね合わせて絵を見ると、年齢なんて関係ない、自分なりに人生を楽しめばいいんだ、という勇気ももらえます。
こんなふうに、いろいろな見方や受け取り方ができるのがアートの魅力。
知的好奇心を満たしてくれたり、背中を押してくれたり、ときにはインスピレーションにつながることもあって。私にとってアートは生活の中に欠かせないものになっています」
美術館めぐりをして、たくさんのアートに出合うことが、結城アンナさんの今年の目標のひとつだそう。みなさんもぜひアートに触れてみてはいかがでしょうか?
●グランマ・モーゼス展の詳細は下記記事でもご紹介しています。
◎【結城アンナさんが公式サポーターに!】「グランマ・モーゼス展ー素敵な100年人生」が開催中@世田谷美術館2022年2月27日(日)まで
※作品の魅力を紹介した動画も公式サイトより配信中。
https://www.grandma-moses.jp
写真/目黒智子、取材・文/矢沢美香、編集/河田実紀