60代で身軽にムリなく生きる女性たちにインタビューをした『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)が話題です。60歳といえば還暦。人生の節目です。子どもは大きくなった、仕事で悩むことがなくなった、人付き合いの力の入れ方抜き方が分かってきた……。人生の重荷から解かれて、少し気楽になっていい世代。お金をかけずに心豊かに暮らすコツをご紹介します。第5弾は、フードディレクター寺本りえ子さんの心を整える、セルフメンテナンス方法を教えていただきました。
series~人生は60代からが自由で面白い!
1)自分の好き嫌いに忠実に生きる「わがまま」を。高山美奈さんの心地よさの基準。
寺本りえ子/てらもとりえこ
60歳。フードディレクター、料理研究家。 音楽活動を経て食の道へ。現在はワークショップ、発酵食の普及や飲食店のアドバイザー、商品開発や食育にも精力的に取り組む。著書に『JOY of AGING』(宝島社)。
セルフケアで揺らがない土台をつくる
食に加え、寺本さんが大切にしているのがセルフメンテナンス。「もともと、 心のバランスをとるのが下手」ということもあり、体だけでなく心のケアも欠かせません。瞑想やフラワーエッセンス、アロマテラピー、マッサージなどを日常に取り入れて、自分と向き合う時間をつくっています。
「今は若い頃より思い悩む時間が減り、スパッと切り替えられるようになりました。きちんと眠れていないと疲れもとれないし、眠ること自体が体力を使うので、質のいい睡眠が大事なんだと実感しています」 。
食の世界にやりがいを見いだした50代は、同時にさまざまな試練も待ち受けていました。心の拠り所だった身近な人を亡くし、結婚して16年目の離婚、そして愛する両親を立て続けに見送る……。いろんなことが一度に訪れて、苦しくてつらくて精神的にはボロボロでしたが、不思議と体は健康でした。「これまでのセルフケアのおかげですね」と笑顔で振り返られるのも、メンタルのダメージにもぐらつかない土台が育まれていたから。
「つらいエネルギーをほかに向ければいいと、セルフケアにつながる資格をとったり、さらに食を学んだり、興味のあることにチャレンジしました」 。
こうした経験を経て迎えた60代。つらいなかでコツコツと積み重ねてきた ことが今につながり、フリースクールの仕事をはじめ、やりたいことを引き寄せながら寺本さんのチャレンジは続いています。
撮影/鈴木真貴
※本記事は 『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)から の抜粋です。
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