【人生は60代からが自由で面白い!】自分の好き嫌いに忠実に生きる「わがまま」を。高山美奈さんの心地よさの基準。

60代で身軽にムリなく生きる女性たちにインタビューをした『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)が話題です。60歳といえば還暦。人生の節目です。子どもは大きくなった、仕事で悩むことがなくなった、人付き合いの力の入れ方抜き方が分かってきた……。人生の重荷から解かれて、少し気楽になっていい世代。お金をかけずに心豊かに暮らすコツをご紹介します。まずは『クウネル』のおしゃれ取材でもおなじみの高山美奈さんから。

高山美奈/たかやまみな
62歳。大学卒業後パリへ。マガジンハウスのパリ支局で撮影や取材のコーディネーターとして活躍し、パリ在住のデザイナーやアーティストと親交を深める。2017年に帰国し、現在はパリ発のコスメブランドに勤務。
人生の半分以上を過ごし、〝女になる〞ことを学び、実践してきたパリ。仕事に邁進するなか、32 歳で息子さんを授かり、ひとりで産んで育て、親子の歴史を刻んできた場所。でも街は、時代が変われば、人も環境も変わります。それを感じとった高山さん、35年間過ごしたパリを離れました。
日本に帰国して4年、いまは古くからの友人が住み、パリのにおいも感じる自然豊かな場所で暮らしています。そんな高山さんが暮らしのなかで大事にしているのは……。

不便さを楽しみ、自分らしく暮らす
便利なものを嫌い、不便なものを愛する高山さんの暮らし。料理は備え付けのIHコンロを封印してカセットコンロを使用し、飲用水はペットボトルではなく沸かした白湯を。めだかを火鉢で飼い、植物には柄杓で水をやり、夜はキャンドルの灯りで過ごしています。食卓にはパリの骨董市で出会ったアンティークの器と母親から受け継いだ古伊万里が並び、ワードローブの中心にある洋服やバッグ、靴も何十年と連れ添った味わい深い愛着品ばかり。
「パリでいいものを代々受け継いで、今の暮らしに上手に取り入れている人たちと出会って、本当にいいものと暮らしたいと改めて思いました。ものの背景やストーリーも含めて選んでいますから、現代の便利すぎるものは自分らしくないと感じています」



自分の物差しでわがままに生きる
「自分の好き嫌いを勝手に信じているから、それに従って生きていくほうが楽しいと思うんです。それが私の〝わがままな生き方〞につながっています」
日本に帰ってからも知的好奇心が尽きない高山さんが、今、興味を惹かれ
ているのは、なんと造園の仕事です。
「新宿御苑が好きすぎて、実は日本に帰ってすぐ、『働きたい』と相談にも行きました。自然の空間を創造する過程に携われたら楽しそうですよね。そのときは叶いませんでしたが、まだやりたい気持ちは消えていません」
暮らしの場も仕事も、自分の好きなところに身を置き、やったことがないことにチャレンジする。どこにいてもいくつになっても、高山さんはわがままに、自分らしい人生を歩んでいます。
撮影/鈴木真貴
※本記事は 『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)から の抜粋です。
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