パリから、リアルなフランスレポートを送ってくれていたクウネル・サロンメンバー松永加奈さんが、6年に及ぶパリ暮らしを終え、日本に帰ってきて数カ月。「フランス慣れ」した松永さんが、久しぶりのO・MO・TE・NA・SHIカルチャーに、日々感動している様子を綴ってくれました。
海外に住む日本人がときどき口にする「日本てすごいよね」という言葉。私もトラブルに遭ったり不便さを感じるたびに「あー、日本てすごい」とパリの空の下で何度つぶやいた(ときに叫んだ)ことか。それを帰国した今、日々実感しています。何が「すごい」のかといえば…。
「ここは天国ですか?」のコンビニ
例えば、が多すぎて挙げきれないのですが、やはり日本といえば「コンビニエンスストア」の充実ぶり。おいしいお惣菜も使いやすい日用品も、ぱっと思いつく必要なものが1か所で揃う上、24時間営業。何軒回ってもお目当てのものが見つからず、閉店時間も迫り、「まあこれでいいか」と妥協するのが当たり前だったフランスの日常からすると、コンビニはまさに神。しかも、多機能のATMやコピー機で用が足せるし、荷物は出せるし、スマホの充電が必要になっても、突然挽き立てコーヒーが飲みたくなっても、日本には「あ、コンビニがある」。
これをもしパリで、それも夜10時に解決しようとしたら…もちろん無理です。困ったときに駆け込めば大抵解決してくれるコンビニさまは、本当にすごい。今夏、オリンピックで来日した外国人がその利便性とサービス、サンドイッチのおいしさに感動してSNSで発信したことが話題になったときは、日本人の友人たちと大いに頷きあいました。
世界一!の宅配サービス
そして、いま私が新生活にあたりフル活用しているネットショッピングと宅配便。荷物の扱いが丁寧で、指定日時にきちんと届く正確さに改めて感動しています。しかもドア先に”置き配”しても大丈夫という安心感。パリでは荷物がときどき迷子になり、品物の破損や間違いも起きがち、”置き配”なんてもってのほかで(勝手に置かれていることはあるけれど)、とにかく「届いたら御の字」。配達は「トラブルが前提」で毎回どきどきしていたのに、今はこんなに快適に利用できて、夢のようです。だから、指定時間内ぎりぎりに息をきらして配達スタッフさんが駆け込んで来ると、その1分すら守ろうという気持ちがありがたく、逆に申し訳ないと思うほど。
「人に迷惑をかけない」がベースの国民性
この宅配便の件をはじめ、修理や点検の訪問時間、電車や地下鉄の発車時刻、ごみの出し方まで含めて「ルール順守」の日本。「人に迷惑をかけない」が行動のベースにあるので、スムーズにものごとが進み、路上や街が綺麗なのも納得です。
そして、安心、安全!
ほかにも「すごい」はたくさんあります。包装紙にとめられたテープが剥がしやすいよう端を折り曲げる気遣い、「とりあえず」に留まらない品質と品揃えの100円ショップ、水回りや電気のトラブルがない日常(つまり仕事が丁寧)、そして地下鉄で寝てもテーブルにスマホを置いても大丈夫という安全性の高さ!帰国してから友人に会うたびにその驚きを伝えると、「確かに」という人もいれば「え、そう?」という答えも。むろん、住んでいればどれも当たり前のことになっていますが、まだまだ我が家では「すごいねえ」と感心する毎日です。
松永加奈のフランス便り 締めくくりシリーズ
→第1弾【松永加奈のフランス便り63】まるで絵葉書!どこを切り取っても美しい街の写真でパリ暮らしを振り返り。
→第2弾【松永加奈のフランス便り64】「あれ買ってきて」といわれる”フランス限定”お土産リスト。
→第3弾【松永加奈のフランス便り65】パリ生活を締めくくり。いろいろあった6年でした。