料理上手な人、センスのよい人、インテリアが素敵な人……。そんなクウネル世代は器使いもとびきりおしゃれです。今回、料理家で器に関する著書も出されている中川たまさんに食器棚と特別に思い入れのある器を見せてもらいました。
古道具の食器棚で見せる収納
料理家の中川たまさんが暮らすのは神奈川県逗子市の一軒家。明るい光がたっぷりと差し込むリビングダイニングには古道具の食器棚が点在しています。「仕事柄、器が多いのでキッチンに収まりきらないというのもあるのですが、家族のだれもが分かって出し入れできるよう、おおまかに分けてインテリアに溶け込むように部屋全体に散らばせています」
白い医療棚は現在の住まいに移ってから購入したもの。おもにガラスの器が収納されています。
大皿は重ねてインテリアの一環に
中川たまさんの器使いといえば外せないのが白いアンティークの皿。オーバルや丸いスープ皿などたくさんの種類を所有しています。これらは重ねてワゴンやオープン棚に収納。年代や国は異なりますが、サイズ感がそろっているため統一感があります。「業務用の現行品もあるのですが、同じ白なのでアンティークとの相性もよくスッとなじみます。とくに大きなオーバル皿はプレートのようにして使用することも多いですね」
和食器は扉収納の中にしまって
プレートやグラスなどの洋食器は見せる収納にしていますが、さて、和食器はというと……。作業台兼、キッチンとダイニングの仕切り的な役割にもなっているアンティークの収納棚の中に入っています。夫と娘の3人で暮らす中川さん。自宅で教室やイベントなどを行うこともあるため、作家ものの器は4~5枚の揃いで買うことが多いそう。「洋は白いものが多いですが、和はややベージュがかった白や青みがかったものなど、少しニュアンスのあるものを選んでいますね。大皿に盛って銘々で取り分けて食べるスタイルが多いです」
料理と器の信頼関係をより深めて
2020年には器に関する著書『器は自由におおらかに』(家の光協会)を上梓された中川さん。冒頭の「はじめに」には、『料理は器で生かされ、また、器も料理で生かされる。』という言葉があります。「盛り付けの流儀や決まり事もありますが、結局のところ”よりおいしそうに見えること”を大切にしています。年代や国、作り手などはさまざまですが、あまり難しく考えず、好きな器に自由に盛り付けるというのが私の料理のスタイルなのかなと思っています」
中川たま
料理家・兵庫県生まれ。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て2008年に独立。季節の食材を使った料理や手仕事、器使いやライフスタイルにもファンが多い。著書に『少ない材料で、簡単に作れる たまさんちのおおらかなおやつ』(家の光協会)などがある。
インスタグラム:@tamanakagawa
取材・文 結城 歩
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