「自分にとって使いやすいキッチンって?」。誰しもがキッチン収納について悩んだことがあるかもしれません。必要なものが必要なところに配置されたキッチン。「より使いやすい」「動きやすい」を求めていたら、置きっぱなし、吊りっぱなしのオープンなキッチンになりました。長年の積み重ねで落ち着いたベストなスタイルをブランディングディレクター福田春美さんに伺う連載の最終回。愛用のキッチンツールについて伺いました。
◎シリーズ連載
■1■使いやすいキッチンを追求したら「出しっぱなし」に行き着きました。ブランディング・ディレクター福田春美さん。
■2■「出しっぱなしキッチン」はまるで道具のギャラリー!福田春美さんのキッチンの工夫。
■3■【福田春美さん愛用のキッチンツール/前編】目に見えるものだからこそシンプルに。
銅の道具
銅の落ち着いた色合いや、まろやかな質感が気に入っている。注ぎ口のついた大鍋は骨董品。ぴったりサイズの蒸篭があり、主に蒸し料理の時に使っている。楕円の銅鍋は中に蒸し板がついている。大きな魚を蒸すときなどに活躍。やかんは「ババグーリ」のもの。水けを残さないなどの手間も含めて愛おしく感じている。
中国茶器
静かな時間を持ちたいと始めた中国茶。いつもフル回転の頭が空っぽになる大切な時間だと話す。道具集めにも夢中になった。左の蓋碗、右端の茶杯は安藤雅信さん作。ガラスのポットは中国製品を探し当てた。白磁のポットは豊増一雄さん作。
掃除ツール
「私、ずぼらなんです」と言いつつ、キッチンはピカピカ。きれいを保つ秘訣は、とにかく汚れをためないこと。目につくところにたわしやブラシをぶら下げ、汚れが目に入ったらすぐにささっと掃除。ツールは、京都の「内藤商店」のものなど、バラエティ豊かに揃っている。
ひっかけるもの
「吊り収納」が要の福田さんのキッチンで、フックは欠かせないアイテム。かご、ざる、フライパン、ふきんなどなんでもフックにひっかける。ひっかける穴が付いていないものは、麻ひもをとりつけ、吊り下げ可能にするほど。家具店、アンティークショップなど出所はさまざま。色や形など、あえてバラバラなものを使用。
羽釜鍋
長年憧れていた「釜定」の南部鉄器の羽釜鍋を数年前に手に入れた。鉄の黒と木の蓋のコントラストが美しく、コンロに置いてある姿にほれぼれ。煮物や、スープなどの料理にも活躍。木の蓋が動かないように、漬物石を重しにしていて、その様もかっこいい。
福田春美/ふくだはるみ
ライフスタイル全般をブランディング。直近の仕事では、北海道のお茶メーカー「土倉」の新ブランド「土熊」を立ち上げた。Instagram:haruhamiru
『ku:nel』2021年5月号掲載
写真 柳原久子 / 取材・文 鈴木麻子