【使いやすい食器棚のつくり方/後編】食器棚は家の倉庫ではありません。

青木美詠子 2

<クウネル・サロン>プレミアムメンバーに仲間入りした青木美詠子さんの第2回目の記事です。整理収納アドバイザーの資格をもつ文筆家で、とにかくおうちがすっきり、気持ちがいい。「すっきり住まい」の秘訣を少しずつ教えていただきます。家の中でも特に物が多い台所、食器棚の収納について。

▼前編からの続きです
目線より上の位置に引き出しはNGな理由とは?


使っていないのなら、大切にされているとは言えないかも

お宅では「食器を重ね過ぎて、下の食器を使わない」、「前列の食器がたくさんありすぎて、後ろの食器に手が届かない」ということがありますか? もしそうなら、食器の数が多すぎるのだと思います。

「それはわかってます」ですよね。でも下や後ろの器は、ずっと出番を何年も待っているかも。その状態は、物を捨ててないと言っても、大切にされてるとは言えないかもしれません。

もしも本当に「全部大事な器よ。処分できないわ」ということなら、上と下、前と後ろの器を入れ替えてみるだけでも、器が喜んだり、暮らしに変化が出ると思います。

そのためには一度すべての食器を出し、食器棚を空にしてみることです。そして全貌を眺めてみると、「これはさすがに多い」とも思えます。そうすると「この何年も使ってないものは、使う気にならないんだわ。この先も出番がなさそうね」と気持ちが変わったりもします。

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奥の器も隙間から手を入れると取れる量を置いています。「このくらい重ねると、もう取りづらいんだな」とか、日頃から意識できるようになりました。
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前の器をちょっとどけると、後ろの物に手が届くようにも。そういう場所なら、前に置く枚数は私の場合、3〜5枚くらいまででしょうか。
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ものの厳選も大事な家事のひとつです

器は壊れてないと処分しにくいのですが、それでもすべてを置いておくのは、貴重なスペースをつぶしすぎています。寄付、フリマなども利用できればいいですが、そうじゃなくても、お家は倉庫ではないので、今の自分に必要なものだけにするのは悪いことではないのです。

でなければ、いったん買ったものは、ひとつ残らず持っていないといけないことになってしまいます。「厳選も、大事な家事のひとつ」と考えてみましょう。処分は2、3枚からでも大丈夫ですし、何度もやるうちに慣れてきます。

とにかくいったん、棚の中のものを出してみよう

また取り掛かるのはすごく億劫なのですが、いざやると、この見極めは(量にもよりますが)、数時間から半日もあればできてしまいます。そして「全然使ってない器がなくなったら、よく使ってるのが格段に取りやすくなったわ」など、発見があると思います。

そして前半でもお話したように食器棚の下半分は、一目ですべてが見やすく、ほこりが入りにくい引き出しにしました。ラップや調理器具など細々したものを収納しつつ、一段だけ、大きな器を入れています。今少し器が増えてきて、下の皿を取る時、ややたいへんなので「少し重ねすぎ……」という警報が頭の中で鳴っています。なので、こういう大きな器を新しく増やす時には、よほど考えると思います。

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この中で常時使ってないものは1、2枚。それも含めて、ここにあるものを全部把握できているのも、気持ちの安定につながっています。
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その他の台所用品が入った引き出し。同じ『無印良品』のトレイで細かく区切ってます。今回また全部出して、使ってない物を処分しました。すると、ここを少なくすれば、器のスペースに回せるとも気づきました。
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こんなふうに少しずつ厳選の練習をし、ワンタッチや、ツータッチでさっと取れる器が増えると、食器棚といい相棒になれる気がします。もし器好きであるならば特に、今ある器を「使いやすい」という形で愛し、むやみに増やさないことも気にしてみてください。


●青木美詠子さんこれまでの記事
整理収納アドバイザー青木美詠子さんが指南。「引き出し最強説」とは?

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この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

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