京都の築45年の団地をさっぱり整えたら人生が上向きました【50代しょ~こさんのダウンサイジング記/前編】
シンプルでミニマムな暮らしが注目されています。年の区切りのこのタイミングで、暮らしの「ダウンサイジング」を考えてみませんか?お気に入りだけが並んだクローゼット、必要なものをさっと取り出せる棚……。ものに縛られず、過去に捉われず、軽やかに生きる二人の女性に話を伺いました。
まずは、Instagramフォロワー数20万人超え、シンプルでポジティブなライフスタイルをテーマにに発信し、同世代の女性から圧倒的な支持を得ているインフルエンサーのしょ~こさんです。
※内容は取材当時(2025年7月)のものです。
世界への扉を開けたことで 〝もの〟より〝体験〟重視に。
インテリア系のライターだったしょ~こさん。コロナ禍で取材を伴う仕事が激減したことを機に、京都のはずれにある築45年の団地を2年がかりで片付けました。それはあたかも引っ越し先をゼロから整えるくらいにガラリと! 住み慣れた家を心地よくする工夫や気づきをインスタグラムで発信したところ、フォロワー15万人を超えるほどに。50代半ばから自身の生き方そのものが仕事につながり始め、人生が大きく変わったと振り返ります。
かつてはインテリアの主役として、多くの雑誌や本を並べていた本棚。自身が執筆した媒体含めてすべて手放し、引き出しも空っぽに。
40歳で離婚後、シングルマザーとして3人の子どもたちを懸命に育ててきました。長男、次男が相次いで独立し、末娘もカナダへ留学するなど家族のありようも次第に変化するなかで起こった暮らし改革。まず手始めに、長年、見て見ぬふりをしてきた不用品をごっそり捨て、暮らしをいったんリセット。そこからは、心から好きだと思えるものだけを身近に置くようにしました。
味わいのある家具や作家ものの器をそろえ、かごやりんごの木箱で生活感を上手に隠して。簡素ながらも健康的な食事を摂り、ガラス器に花を生け、観葉植物の世話に励み……。生活はどんどんと豊かになっていきます。ものを極力増やさないよう、掃除機などの家電は多少割高でもサブスクで借りるなどの工夫も。やわらかな光があふれる居心地がよさそうな部屋で、ひとり暮らしを楽しむさまは、同世代の女性たちからの熱い支持を集めるようになりました。
ものより体験にシフト。 優先順位にも変化が。
そもそも、こんな風に暮らしを整えるようになったきっかけは?
「コロナでどこか息苦しさを感じていたとき、ベランダにふと出てみたこと。以前と変わらない平和な風景にほっと肩の力が抜け、空を眺めながらお茶や読書を楽しむ習慣ができたんです。そこから、家全体をもっと居心地よくしようと片付けるようになりました。そして、家を美しく整えることは、自分自身を大切にすることでもあると気づきました」
ベッドは親しい友人に譲ることに。枕元の引き出しに収納していた冬のニットや部屋着は9割以上処分し、チェストも新たな持ち主へ。
56歳のときに、東京で暮らしてみたいという長年の夢を叶え、京都と東京を行き来する2拠点生活へ。ところが、2023年の秋に30年ぶりにパスポートを取り直し、ニューヨークへ初めての一人旅をしたことで第二の転機が訪れます。
「それから度々、海外へ行くようになり、国内の拠点をまずはひとつにしようと考えたんです。京都の家は18年暮らした特別な場所。家族との思い出もあるし、私自身が人生を変えるきっかけをもらった原点でもある。なので、通常は東京の家を手放しますよね。でも、あえて思い入れのある方を手放してみようと」
最初の転機では、住まいを居心地よくしてくれる〝もの〟を探し求めていたしょ~こさん。旅をするうちにそんな価値観が少しずつゆらぎ始め、今後の人生は〝体験〟にお金を使いたいと考えるようになったそう。
今後は東京で娘と暮らしつつ、思い立ったら旅に出る、身軽なライフスタイルを実践する予定だそう。そんな経緯から人生2度目の、暮らしのダウンサイジングが始まりました。
南向きの窓辺は、最も好きな場所。京都を去る日が近づき、さっぱりしてきた空間で過ごす時間は、名残惜しさとともに清々しさも。
before/ダウンサイジングする前は………
ダウンサイジング年表
しょ~こさんの「ダウンサイジング」のこれまで
2007 年/40歳
3人の子どもを抱えて離婚。京都郊外の築45年の団地に引っ越し、シングルマザーとして仕事と育児に手一杯の日々。
2013 年/46歳
長男、次男が独立し、娘と二人暮らしに。インテリア誌のライターとして日本全国を忙しく駆け回るなか、部屋は散らかり放題で不用品があふれていた。
2021 年/53歳
コロナ禍で仕事が激減。時間ができたことから2年がかりで部屋を片付け始め、そのプロセスをインスタグラムで発信したところ、フォロワー
15万人を超える人気アカウントに(2025 年9月現在23万人)。
2023 年/55歳
初めて制作した電子書籍『しょ~こジャーナル』も好評を博し、著書の出版につながるなど人生が変わり始める。ライター休業宣言をし、自己発信の仕事へ方向転換。
2024 年/56歳
東京に新たな住まいを借り、京都と行き来する2拠点生活へ。海外を旅する機会が増え、関心が家具や生活道具といった〝もの〟から〝体験〟へと変わり始める。
2025 年/58歳
18年暮らした京都の住まいを近々引き払うため、持ち物を手放し始める。今後は東京で娘と二人暮らしに。現在借りている古民家から、新たな住まいへ引っ越しする予定で準備中。
PROFILE
しょ~こ
デジタルクリエイター 57歳
インテリア誌のライターを経て、現在はインフルエンサーとしてしなやかで実験的な生き方を発信中。3冊目の著書『50代、「心地いい暮らし」は自分でさがす』(PHP研究所)が発売されたばかり。
Instagram:@shosworks
写真 山口健一郎 取材・文 野崎泉 『クウネル』2025年11月号掲載