銀閣寺に建仁寺も。再訪するたびに発見がある“古くて新しい”京都の「寺社仏閣」3選

1300年に及ぶ京都の歴史と文化を形づくってきたのは、神社や寺院という存在。 今回は、京都と神社仏閣を愛するヘアーメイクアップアーティスト・山本浩未さんのオススメの場所を紹介してもらいました。

PROFILE

山本浩未/やまもとひろみ

ヘアーメイクアップアーティスト。女性誌や美容誌を中心にメイクアップや美容コラムの執筆などで活躍。京都在住の友人と「京都町中華の会」を結成。中国茶の稽古で京都通いも一年間おこなった。

モダンな白砂の造形に魅せられる『銀閣寺 臨済宗相国寺派』

市内のアンティークのお店『うるわし屋』が好きになり通い始めたのがきっかけで京都の面白さ、魅力に目覚めたという山本浩未さん。30代の初めの頃でした。京都を訪れるたびにお店に顔を出し、漆やクリスタルの器を買い求め、店主の堀内明美さんとも仲良くなっていきました。

「神社仏閣は自分が浄化されるのが心地よく、どこへ行ってもお参りは必ずします。京都でももちろん」

そんな山本さんが驚いたのが『銀閣寺』のモダンで神聖な美しさ。実は『銀閣寺』をちゃんと参拝したのは昨年のこと。一緒に出掛けた『うるわし屋』の明美さんも京都在住とはいえ、初めての参拝でした。

「そうしたら、『銀閣寺』ってこんなにすごいところだったんだ、とふたりでびっくりしちゃって。本当に不思議な造形で、霊的なパワーを感じるお庭なのです。現代人が作ったの?と思ったほどモダンなの」

白い砂を大人の身長ほどの高さに盛り上げた「向月台」とやはり白い砂を波状に整形した「銀沙灘」、ともに月の光を反射して観音殿を淡く照らすためのデザインといわれているとか。

銀閣寺 臨済宗相国寺派

金閣寺とともに相国寺の山外塔頭のひとつ。室町幕府八代将軍の足利義政によって造営された山荘東山殿を起原とする世界文化遺産。お盆の送り火で知られる大文字山の麓に位置し、哲学の道にもほど近い。

住:京都市左京区銀閣寺町2
電:075-771-5725
営:夏季(3月1日~11月30日)8:30~17:00、冬季(12月1日~2月末日)9:00~16:30
休:無休
料:拝観料500円

https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/

茶道との深いつながりを持つ禅寺『建仁寺』

法堂の天井画は日本画家の小泉淳作さんが2年の歳月をかけて2002年に完成。畳108畳分もの大きさ!

四条からほど近く、風神雷神図や龍神の天井画で知られる『建仁寺』は、山本さんが昔から訪れていた禅寺。ところが、こちらが茶道と深い関係があると知って、ますます興味が深まったと山本さん。

「小さい頃から茶道を習っていて、お茶には親しみを感じてきたので、こちらがお茶を一般に広めたところと知ってびっくり。お寺の中にお茶の木が植えられていて、少量だけれどお茶を作っておられるというのも素敵です。お茶と禅宗の関係には深いものがあるんですね」

京都五山の第三位に認定されている格式の高いお寺。京都最古の禅寺でもある。「大雄苑」など庭園も必見。

栄西は宋からお茶の種を持ち帰り、禅と共に日本にお茶の文化を伝えた。毎年4月に開かれる「四頭茶会」の様子。

建仁寺

日本に最初に臨済宗を伝えた僧・栄西が開いた禅寺。祇園に隣接した位置にある。俵屋宗達の国宝『風神雷神図』、海北友松の『雲龍図襖絵』(共にデジタル複製画)、法堂内の天井に描かれた『双龍図』が名高い。

住:京都市東山区大和大路通四条下る小松町584
電:075-561-6363
営:10:00~16:30(17時閉門)
休:4月19日~4月20日、6月4日~6月5日(そのほか、法要のため拝観休止日あり)
料:拝観料600円

https://kenninji.jp

紅葉と鳥居の美しさに心奪われる『竹中稲荷社』

吉田山を登るハイキングの気分も味わえる。「五穀豊穣、道行き、芸能の神様が祀られているのも好みです」

竹中稲荷社』は京都大学の近く、吉田神社の末社。山本さんが広大な吉田神社の奥の吉田山を歩いていて偶然出会ったそう。紅葉の季節で、木々の赤と並んだ赤い鳥居のコントラストの美しさに息をのんだと言います。

「層のように積み重なった歴史や美意識の上に新しい感覚がプラスされていく京都の厚み。だからこの素敵さは揺るがないし、いつも魅力的です」

竹中稲荷社

京都大学の東側、吉田山にある吉田神社の末社。吉田山山頂付近にあり、桜の名所としても知られる。「宇賀御魂神」「猿田彦神」「天鈿女神」を祀る。吉田神社は室町時代から続くにぎやかな節分祭りで有名。

住:京都市左京区吉田神楽岡町30 吉田神社内
電:075-771-3788(吉田神社)
営:無休
休:無料
料:拝観料500円

https://www.yoshidajinja.com/

取材・文/船山直子

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