ベーカリーからカフェまで。京都に暮らすフランス人が愛する京都の名店とは?
歴史があり、自然豊かで、美食に溢れる街・京都。パリと京都は何かと共通点が多いこともあり、特にフランス人にとって特別なよう。京都に住むアクセサリーデザイナー・ソニアさんに、フランス人ならではの視点で、お気に入りの京都を案内してもらいました。
PROFILE
ソニア・ボエック/Sonia Bohec
アクセサリーデザイナー。シルクなどの自然素材を使用し、ハンドメイドでアクセサリーを制作。下鴨神社近くにアトリエを構える。Instagram:@soniabohecbijoux
暮らしの中で幸せを感じる場所
約6年前に家族とともに京都に移住したソニアさん。日本を旅するなかで「ここなら暮らせそう」と直感したとか。「山に囲まれ、中心に鴨川が流れていて、とても人間的な、ほどよいサイズの街だと感じたんです」
フランス人らしく、日々の食事に欠かせないのが美味しいパンですが、ソニアさんの行きつけは『bonne volonté(ボンボランテ)』。
「女性の職人さんたちが手作業で作っているのが好ましく、売り場横に薪が積んであります。すべてにおいて、オーセンティックなところが好きですね」
下鴨神社近くにアトリエがあるため、「糺の森」は日常的に通る場所。 「静けさと神聖な雰囲気に包まれた森で、自然そのものが、神様のいるところだという考え方にも共感を覚えます」
家族を送った後などに立ち寄り、リラックスしたひとときを過ごすのが『MEMEME COFFEE HOUSE』。
「オーナーはコンセプトのあるおもしろい人。ファッションから社会問題まで、いろいろなことを話します」
慌ただしい毎日のなか、ふとした瞬間にこれらの場所が、「すてきな街に暮らしているな」と幸せを感じさせてくれるのだとか。秋からは、草木染めの工房に通う予定というソニアさん。京都の自然を作品に取り入れつつ、創作するアクセサリーもさらに進化していきそうです。
bonne volonté/ボンボランテ
ブルーグリーンのファサードが目印。京都の山で採れた間伐材を使い、薪窯で焼き上げるパン屋さん。〈全粒粉と胡麻のパン〉などの食事パンはもちろん、おやつとして食べるパンもここで購入。
「私が好きなのは、バナナクロワッサン。お店の紙袋にもほんのりと薪の香りが移っていて、さらに美味しく感じられるんです」
bonne volonté/ボンボランテ
住:京都市上京区河原町通荒神口下ル上生洲町229-1
営:11:00~20:00(2023年10月より営業時間変更の可能性あり)
休:日曜、月曜 8月は夏季休業
糺の森(下鴨神社)
下鴨神社の参道に広がる、古代の姿をとどめる森。「樹木や草花の色、風の匂いといった、四季のうつろいが感じられるところが好き。自然に守られているような安心感を覚えます」とソニアさん。秋の森は赤や黄、オレンジに染まり、小道も色とりどりの絨毯に。
糺の森(下鴨神社)
住:京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010
営:6:00~17:00 (神事等により変更あり)
休:無休
https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
MEMEME COFFEE HOUSE
オーナーの晴航平さんが強い影響を受けたという、アメリカ・ポートランドにあるカフェのような、自由でリラックスした空気感が心地よい。1日中、モーニングメニューが楽しめるのがコンセプトのひとつ。
「京都からさらに、別世界へ旅をしている気持ちになれるんです」
MEMEME COFFEE HOUSE
住:京都市上京区 上生州町210
営:8:30〜15:00
休:不定休
MEMEME COFFEE HOUSE公式インスタグラム
『クウネル』11月号掲載 撮影/石川奈都子、取材・文/野崎 泉
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『クウネル』No.123掲載
私のとっておきの京都
- 発売日 : 2023年9月20日
- 価格 : 980円 (税込)