『アピスとドライブ』があるのは、鎌倉でも山側に位置し、鎌倉の隠れ里と呼ばれる佐助地区。パワースポットとして知られる佐助稲荷神社や銭洗弁天の近くといえば、辺りの雰囲気を想像できる皆さんも多いのではないでしょうか。

木々が生い茂る裏山を望むように設計された一軒家は、1階がお店、2階がご自宅兼オフィス。鎌倉らしい奥ゆかしさが漂い、お店には今井さんが長年に渡ってご自宅やオフィスで愛用してきた家具たちが並びます。それはまるで、友人の家に遊びに来たような居心地のよさ。

お店で主に扱われているのは、今井さんご夫婦が愛用していたり、これまで仕事で出会ってきた品々。どれも各地の風土や恵みが生かされ、大量生産とは違いひとつひとつ作り手の顔が伺えるものたちです。

「ご縁があった方々の手仕事を紹介する場がほしいとずっと考えていました。でもなかなか動けずにいて……。そんなときコロナ禍になり、東京・原宿から鎌倉への転居をきっかけにお店を始めたんです」（今井さん）

注目したいのは、今井さんが手がけるオリジナルスキンケアブランド『joscille（ジョシーユ）』。「肌のために。心のために。」をコンセプトに、自然由来の成分をたっぷり使った肌と心を整えるアイテムを提案しています。

著者が手に入れたのは今井さんおすすめの、オイルと美容液の美しい二層美容液〈梅と桜〉。洗顔後にこれだけでお肌がしっとり。水分と油分がバランスよく浸透していくんです。夏の汗や紫外線によるダメージにもいいんだとか。

店の奥に進むと、そこはカフェとギャラリーのスペース。吹き抜けの大きな窓から望む緑に思わず目を奪われます。そして、その大きな窓の右手に畳敷きのギャラリースペースがあります。

「お客さまは山の緑を見ながらご飯を食べたり、本を読んだり。お仕事をする方もいますね。みんな思い思いの時間を過ごされていてうれしいです。ギャラリーは一般的には白い空間だと思うのですが、鎌倉らしく畳もいいなと思って。アートのある暮らしの楽しさをお伝えしたくて、実際に作品を家に飾ったときのイメージも湧きやすいと思いませんか？」

心ときめくものたちとの出会いを楽しめる『アピスとドライブ』。鎌倉にまたひとつお気に入りが増えそうですね。

「私の本業のブランディングやデザインの仕事は、人と人をつなげる仕事なんです。この店も、作り手とお客さまをつなぐ場所になればうれしいなと思っています。鎌倉散策の合間にぜひ遊びにきてください」

◎【おしゃれスナップ】夏のブラックコーデを涼しげに魅せるテクニックを教えて！／アピスとドライブ（鎌倉）の今井クミさん