ココ・シャネルとマリー・ローランサンが魅せる。1920年代パリのファッションを振り返る展覧会

2つの大戦に阻まれる中、豊かな芸術や文化が生まれ、“狂乱の時代”と呼ばれた1920年代のパリ。この時代を代表する、女流画家のマリー・ローランサンと、ファッションデザイナーのココ・シャネルの2人の女性にフォーカスし、ローランサンの作品とともに20年代ファッションを振り返る展覧会『マリー・ローランサンとモード』が、愛知県名古屋市の『名古屋市美術館』で開催されます。

ローランサンとシャネル。相容れない2人の感性が融合

女流画家・マリー・ローランサン。

同じ1883年生まれのローランサンとシャネル。淡いパステル調を用いて優美な女性を描き続けたローランサンと、エレガントなドレスやスーツを生み出したシャネルは、アートとファッションというそれぞれの分野で、パリの文化の発展を牽引していました。

2人が交流したのは、シャネルがローランサンに肖像画を依頼した際のみ。しかし、その出来栄えにシャネルが満足しなかったことから、2人の間には長きにわたり確執があったと言われています。2人の作り出したアートとファッションが融合したのは、2人の亡き後、2009年のことです。

マリー・ローランサン『ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン』。

1983年から30年間、『メゾン・シャネル』のアートディレクターを務めたカール・ラガーフェルドは、2009年と2011年のとあるコレクションで、ローランサンの絵画の特徴である淡い色使いや軽やかなタッチを参考にしたデザインを発表したのです。

100年近く経ってから2つの才能が融合するというドラマチックな展開に、当時は世界中が感嘆の声をあげていました。

展覧会を通じてふれる、20年代のパリの芸術界

今回の展覧会『マリー・ローランサンとモード』では、ローランサンとシャネルの活躍を中心に、1920年代のパリの芸術界を展観。ローランサンの作品や、シャネルのアパレルはもちろん、当時のパリ芸術界における“越境性”にも注目し、スペインのパブロ・ピカソ、アメリカのマン・レイなどの作品も詳しい解説とともに登場しています。

マリー・ローランサン「ばらの女」1930年 油彩/キャンヴァス マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin

ガブリエル・シャネル『デイ・ドレス』。

ローランサンのアートを取り入れた美しいグッズの販売も。

展覧会を通じて当時の文化にふれることで、昨今のアートやファッションへの理解もより深まるはず。ぜひ、会期中に『名古屋市美術館』まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

マリー・ローランサンとモード

会期:~9月3日(日)

会場:名古屋市美術館

住:愛知県名古屋市中区栄2-17-25 芸術と科学の社・白川公園内

営:9:30~17:00(8月11日を除く金曜日は20:00まで)※最終入館30分前

休:月(7月17日、8月14日は開館)、7月18日(火)

入場料:一般1,800円

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