初めての料理、土地の人との交流、心動く景色……。旅でしか得られない体験はいくつも。「そろそろどこかへ 」。そんなあなたを刺激する「あの旅 」を写真とともにシェアしてくれました。
田中美奈子さん/たなかみなこ
料理家、カフェディレクター
飲食を軸に広く活動。著書に『ケータリング気分のBox Food』(文化出版局)ほか。Instagram:@minakotanaka_9966
スペイン/サン・セバスチャン
バスク地方の美食とともに身も心もほどけるバルのはしご
私の場合、旅は食目当てがほとんど。スペイン北部の美食の街サン・セバスチャンには2年前に滞在しました。ここはバルが100軒以上も軒を連ね、“バル巡り”に臨むなら店の看板メニューなど、ぜひ下調べをしておき たい。
まず外せないのが、名店の誉れ高い「Gandarias」。肉や魚介を使った絶品ピンチョスを、バスク特産のアルコール低めの微発泡ワインのチャコリと一緒に。あるいは「La Viña」で、濃厚なチーズケーキと赤ワインを合わせても。
そして合間には、歴史的な建物が並ぶ石畳の旧市街を散策。地元の食料品店で、いろいろ珍しい食材を探すのも楽しい(私が通った店は「Solbes」)。前回は工事で休館中だったバレンシアガ美術館も見てみた いので、近々の再訪を誓っています。
TRAVEL DATA
おすすめのホテル:旧市街の建物のワンフロアを使った「Pensión Balerdi」。多彩なバルやレストラン、ビーチが徒歩圏内。
おすすめのアクティビティ:バスク発祥のベレー帽最古のメーカー「Elósegui」の帽子やバスク織の老舗「Artiga」の織物製品は、かさばらずお土産に最適
『クウネル』2022年11月号掲載
取材・文/阿部里歩、田代 格、友永文博、船山直子、石毛幸子