おいしいものをたくさん知っているワタナベマキさん。その中からとっておきの手土産を教えてもらいました。まずは、正統派のお店のお菓子を3つ。
「どちらかというと辛党ですが……」。
甘いものへの思いをうかがったところ、そんなことを言うワタナベマキさん。あれれ?と少し焦って、お気に入りのお菓子を尋ねれば、スラスラと出てきた東京中のおいしいお菓子リスト。なーんだ、やっぱりさすがの達人です。
「料理撮影では、スタッフ一同、休憩を取らずに一気に撮影することが多い。そして、すべてが終わった後に試食します。それから『じゃあ、口直しに』とお茶を淹れて甘いものをいただくその時間が大好きなんです」
甘いものは疲れた頭と身体をほぐす効果大。自然と会話も弾みます。編集者やカメラマンなどが持参してくれることもあれば、自分で用意することも。
「みなさん、おいしいものを知り尽くした舌の肥えた方ばかり。このときに、知るおいしいお菓子がいっぱいあり、 とてもいい刺激をいただいています」
1)銀座ウエストのモザイクケーキ
銀座の品格漂う老舗喫茶店を代表する味。ココアスポンジとバタースポンジをモザイク状に組み合わせた美しい佇まい。「どんな方が食べても好きな味だと思います。バタークリームケーキなので翌日まで日持ちするのも嬉しい」。ホール2,500円
2)さゝま の松葉最中
「ほろりとした皮と、なめらかで上品な餡は素晴らしい組み合わせ。風味豊かで姿も美しいお菓子は間違いのない一品。初めて会う方や心をつかみたいと思う方にお持ちします。ここでしか買えないというのもポイント」。8 個入り1,320円(税込)
3)松島屋の豆大福
東京三大豆大福のひとつとして有名。えんどう豆の塩気とねっとりとした餡の組み合わせが最高。「甘いもの通の料理カメラマンに教えてもらって以来のファン。ついつい顔がほころぶ大福は、緊張する打ち合わせや撮影現場に」。1 個180円
松島屋
住 東京都港区高輪1-5-25
電 03-3441-0539
わたなべ・まき
料理家。簡単なのに洗練されている料理を提案。一年を通じて料理を追った『旬菜ごよみ365 日』(誠文堂新光社)、『何も作りたくない日はご飯と汁だけあればいい』(KADOKAWA)など著書多数。
『ku:nel』2019年5月号掲載
写真 砂原 文/取材・文 鈴木麻子