フランス仕込みの合理的なおもてなし!【フランス式「3ステップ」料理/島田今日子さん編】

フランス人の食事は基本、前菜、メイン、デザートのシンプルな3ステップで成り立つとされます。料理上手と評判の『JUNKO SHIMADA』 チーフ・クリエイティブ・オフィサー、島田今日子さんに、「3ステップ」の料理を教えていただきました。詳しいレシピは、〈クウネル・サロン〉だけでご覧いただけます。

親しい人たちと楽しく話せる 3ステップは自然に実践。

「いつのまにか食事は3ステップというシステムが身についていて、なんとなくそれにのっとって作ったり、食べているみたい。フランス人っていつからそうなんだろう、と思って検索したらエスコフィエがこだわって定着させたとか……」

料理上手で評判で、よく友人を招き食事を振る舞うという島田今日子さん、サーブしながらゲストと過ごすひとときに3ステップの利点を感じているそうです。

「下ごしらえをほとんどしておけたり、あらかじめ作っておける前菜メニューか、ないしはごく簡単にチーズとサラミや、あるときは稲荷ずし、といった風に〝しのぎ〟の感覚で1を用意することもあります。2のメインをオーブン料理や煮込みにすれば、料理に長く席を立つこともなくおしゃべりを楽しめるんです」

日本よりずっと気軽に人を招くフランス気質は、3ステップと関係が深そう。
本日の3皿はウィークデイに2、3人の友人を招く想定です。「肩肘はらずの展開」でもおしゃれでおいしい!

「そしてデザートも重要。食事は終了して、切り替えです。私の感覚だと日本では食事に行って2次会的にカフェやバーで頂く一皿。ワインを続ける人もいればお茶の人もいてまだまだ会話は続きます」

step1_前菜 冷たいキュウリのスープ

人気シェフ、オットレンギの本で仕入れた十八番。

「冷たいキュウリのスープ」の作り方

◎材料(作りやすい分量)
ミントの茎…4本
ショウガ(2/3を粗くおろし、残りをスライスする)…90g
カリフラワー(2cmの房に分ける) …1/2個
キュウリ(皮をむき輪切りに) …7本
ニンニク…1片
ヨーグルト…500g
レモン汁…大さじ2
オリーブオイル…60ml
スライスアーモンド…70g
乾燥ミント…大さじ2
塩、白コショウ

◎作り方
1.鍋に800㎖の水を入れ、ミントの茎、ショウガのスライス、塩大さじ2を加え沸騰させる。カリフラワーを2~3分、歯ざわりが残るよう茹でて水を切り、ミントとショウガを取っておく。
2.キュウリの輪切りをブレンダーに入れ、おろしたショウガ、ニンニク、ヨーグルト、レモン汁、塩小さじ1、白コショウ小さじ1/2も加え、滑らかなスープになるまでミックスする。冷蔵庫で1時間冷やしておく。
3.小鍋を中火にかけオリーブオイルを熱し、アーモンドを加えて定期的にまぜながら、3、4分、きつね色になるまで煎る。ボウルに移して、乾燥ミントと塩ひとつまみを加え混ぜ、冷ます。
4.カリフラワーの小房を深皿に盛り、冷やしておいたスープをかける。3を散らし、オリーブオイルをまわしかける。

※1、2日前に準備して冷蔵庫で保存することができますが、アーモンドはいただく直前にローストして。

step2_メイン チーズスフレ フリゼとハーブのサラダ

「チーズスフレ」の作り方

◎材料(3人分)
バター…50g
小麦粉…50g
牛乳…1/4L
グリュイエールチーズ…100g
塩、コショウ、ナツメグ
卵黄…4個分
卵白…5個分

◎作り方
1.ベシャメルソースを作る。鍋にバターをとかし小麦粉を加え1分間かき混ぜる。少し温めた牛乳を加え数分間、弱火で泡立て器を使ってかき混ぜたあと、鍋を火からおろす。
2.卵白は塩ひとつまみを加え泡立てる。
3.1が冷めたら、ボウルに移しかえ卵黄を1つずつ加えて混ぜおろしたチーズ、ナツメグひとつまみ、コショウ、塩少々を入れ混ぜた後、泡立てた卵白を合わせる。
4.スフレ型にバターを塗って3の生地を流し入れ、オーブンの下段で20~25分180°Cで焼く。

「フリゼのサラダ」の作り方

◎材料(作りやすい分量)
エンダイブやフリルレタスなどの葉物
チャイブ、イタリアンパセリなどのハーブ
どれも好みの量で用意

〈ハーブドレッシング〉
アップルビネガー…大さじ3
マスタード(手に入ればタラゴン入り)…小さじ1
オリーブオイル…適宜
塩・コショウ…適宜
プロヴァンス風ハーブ(タイム、ローズマリー、セージ、バジルなどを複数組合わせて)

◎作り方
1.エンダイブ、チャイブ、イタリアンパセリを洗い水を切る。エンダイブは小房にカットし、イタリアンパセリとチャイブは細かく刻む。
2.ボウルにアップルビネガー、塩、コショウ、マスタードを加える。
3.オリーブオイルを加えながらよく混ぜる。最後にハーブを加え味を調えてドレッシング完成。野菜とハーブを合わせたものに合えて頂く。

※フランスで一般的な野菜、フリゼは日本ではエンダイブとして市場で扱われるほか、フリルレタスも同一の野菜として在日フランス人家庭の食卓によく登場。

step3_デザート 3種砂糖のクッキー  ベリーのサラダ

マーサ・スチュワートのレシピをアレンジ。黒糖、粗糖、粉糖を使って「日本風・今日子味のクッキー」が。

「3種砂糖のクッキー」の作り方

◎材料(作りやすい分量)
薄力粉…290g
ベーキングソーダ…小さじ1/2
溶かしバター…225g
粗糖…100g
黒糖(またはメイプルシュガー)と粉糖(またはココナッツシュガー)…合わせて200g
塩…小さじ1
バニラエッセンス…小さじ2
卵(大)…2個
リンツのホワイトチョコレート…100g

◎作り方
1.ボウルに薄力粉とベーキングソーダを入れ混ぜる。
2.別のボウルでバターと砂糖を3分間よく混ぜたあと塩、バニラエッセンス、卵を加える。
3.1と2を合わせ、板チョコを食べやすく割り入れて30分以上冷蔵庫で冷やす。
4.クッキングシートの上に、スプーン1すくい(1枚分)ずつ生地をのばして、余熱を加えておいた180℃のオーブンで8分、焼く。

※1週間くらい保存できます。

「ベリーのサラダ」の作り方

◎材料(4人分)
いちご…2パック
ブルーベリー…1パック
レモンの絞り汁…1個分
フレッシュのミント…数枚
シャンパン…あれば適宜

◎作り方
洗い、食べやすく切り冷やしておいたいちご、ブルーベリーにレモン汁をかけ、ミントを刻んだものを加えまぜる。飲みさしなどのシャンパンがあれば贅沢にかけるとおいしい。

※この組合せに限らず、フレッシュなベリー類でどうぞ。

PROFILE

島田今日子/しまだきょうこ

パリで生まれ育ち、5年前からは東京において母、島田順子さんの仕事をサポートしている。ベランダでハーブを育て、フレンチに加え和食や日本の洋食も得意。花とキャンドルでテーブルを飾りもてなすのが、マイルール。

写真/徳永 彩  取材・文/原 千香子

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