京都『亀屋良長』の女将が推薦。食卓を格上げする「京の逸品グルメ」4選
食の宝庫・京都の味を家に連れて帰れば、日常の食卓がさらに豊かに。 京都を代表する老舗和菓子店『亀屋良長』八代目女将・吉村由依子さんに、普段リピートしている京都の美味しい食材を教えてもらいました。
目 次
PROFILE
吉村由依子/よしむらゆいこ
『亀屋良長』八代目女将。結婚を機に伝統的な和菓子の世界に入り、商品企画に携わる。2016年に別ブランド『吉村和菓子店』をスタート。2018年に発売の「スライスようかん」が大ヒットし話題に。
食卓の常連、日常を支える食
ふだんよく買う食材も、夫の健康を気遣い、湯葉やひろうすといった精進料理を意識したものが多いという吉村さん。シンプルな調理法でも、しみじみと美味しい。そんな食材たちが、心と身体を日々整えてくれるのです。
『千丸屋』の〈徳用湯葉〉
200年以上の歴史をもち、昔ながらの製法を守る京湯葉の店『千丸屋』。なかでも人気の乾燥湯葉は保存がきき、さまざまな料理に活用できます。
「甘味が強く、大豆の香りが豊か。細工の美しい京湯葉もいいのですが、普段の食卓では徳用湯葉で十分。水で戻して、おつゆや、麺類、たき物に加えたりします」
『グッドネイチャーマーケット』の〈カカオ生コーラ〉
カルダモンやシナモンなど9種のスパイスに、希少性の高いカカオや柑橘果汁を合わせた、『グッドネイチャーマーケット』のクラフトコーラです。
「様々なスパイスで体調が整って元気になる感じです。日持ちがするのでプレゼントにも最適。炭酸で割っても美味しいですし、冬にはお湯割りも。体がポカポカしてきます」
『嵯峨豆腐 森嘉』の〈ひろうす〉
川端康成や司馬遼太郎の作品にも登場する嵯峨豆腐の老舗『嵯峨豆腐 森嘉』。名物の〈ひろうす〉は、銀杏とゆり根がたっぷり入った具沢山ながんも。だしを吸った生地と、ホクホクの具が楽しめます。
「お豆腐のやわらかさと、具の豊富さが調和。薄味のお出しで炊くだけで美味しく、これ一品でとても贅沢な気分になります」
『亀屋良長』の〈醒ヶ井水〉
こちらは吉村さんのお店である『亀屋良長』の〈醒ヶ井水〉。お店の菓子づくりに欠かせない清らかな京の地下水です。現地で喉を潤すほか、容器を持参すれば自由に持ち帰り可能。
「ご飯を炊いたり、お茶を淹れたりすると、味の違いが分かりやすいです。改装で別の場所に住んだ際にご飯の味が違うことに気づき、井戸水のありがたさを実感しました」
『いづ重』の〈巻き寿司〉
『いづ重』の〈巻き寿司〉は、おくどさんで炊いたしゃりに、かんぴょう、椎茸、厚焼き玉子などを巻き込んだ昔ながらの味わい。
「いつ食べても、しみじみ美味しい。おいなりさんも好きです」
『クウネル』11月号掲載 写真/石川奈都子 (取材、食材)、柳原久子 (食材)、取材・文/野崎 泉、鈴木麻子
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