海苔弁愛が高じて、多彩な海苔弁が作れるレシピ本を上梓した料理研究家の杵島直美さん。一度覚えたらずっと使える「基本の海苔弁」の作り方と、コツを教えていただきました。
「子どもの頃、今日のお弁当は海苔弁って聞くと、もう嬉しくてね。そんな母のお弁当が作りたかったんです」と、杵島直美さんは言います。
それは一見、何の変哲もないようでいて、食べる相手を思いやる気持ちがぎゅっと詰まっています。
■材料(1人分)
ごはん……茶碗1杯
海苔……適量
しょうゆ……適量
自家製ふりかけ(※下記参照)……適量
甘塩鮭(グリルする)…… 1切れ
スナップエンドウ(筋を取って茹でる)……好みの量
卵……1個
【A】
砂糖、みりん、酒、水……各小さじ1
塩……少々
■作り方
①鮭をグリルで焼く
②小鍋に水と塩少々(分量外)を入れ、沸騰したらスナップエンドウを入れて1分半茹でる
③ボウルに卵とAを入れて混ぜる
④角型フライパンに油小さじ1(分量外)を中火で熱し、③の1/2量を流し入れ半熟状になったらくるくる巻く
⑤③の残りを流し入れ、もう一度くるくる巻いて形を整えたら切り分ける
⑥海苔弁ごはんの上にそれぞれ盛り付ける
※自家製ふりかけの作り方
①花かつお(10g)は手で揉んで細かくする
②小鍋に①と、しょうゆ 大さじ1、みりん・酒各大さじ1/2を合わせ弱火にかけ、混ぜながら1分程煮る(汁気がほとんどなくなるまで)。
以上がレシピなのですが、じつは海苔弁の要となるのが土台となる“海苔弁ごはん”。杵島先生は言います。
「コツは2つだけです。ごはんを詰めるときはふっくらと。それと、海苔の下に隠れたしょうゆの塩気を考えて、おかずの味付けは少し控えめにしてあげてくださいね」。
杵島直美さん
料理研究家の村上昭子さんを母に持ち、時代に合った家庭料理を数多く提案(息子さんは料理家のきじまりゅうたさん)。近著に『ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ』(青春出版社)など多数。
『ku:nel』2020年5月号掲載
写真 柳原久子/取材・文 権 佳恵