【人気サロンの美容師に聞く】安全かつ確実に綺麗な仕上がりに。前髪セルフカットのコツ。

前髪のセルフカットに失敗したことのある人も多いのではないでしょうか。顔の印象を左右する前髪だから、セルフでも安全かつ綺麗に仕上げたい。そんな思いを解消するべく、人気サロン「RUALA」の角さんに、前髪をうまくカットする方法を教えていただきました。

BEFORE

ベーシックなショートボブ。「 美容師って普段自分では切らないんですよ。前髪は伸びてきて気になっています 」。セルフカットに初挑戦。
前髪カットの必需品
ダッカール3本、眉バサミ、コーム。その他、 鏡、切った髪を散らさない工夫も。

平常心、平常の髪の状態で。

「前髪の少しの手入れで、表情は晴れやかになります。繊細に、とはいえ落 ち着いて少しずつ切ればいいんです」。

必要なアイテムというと?

「ハサミと、意外な必需品がコームで す。髪を整え分け、撫でつけながらカ ットします。カットしない部分を押さえるのは、ピンでもOKですが、広いパーツを留めやすいのはダッカール」。少しずつ切ったつもりで、なぜか目測違いになることもありますが……。「髪は濡らさずいつもの状態で、というのは前髪だけのカットでも鉄則。ブローしている人はブローしてからに。そうして目測を避けることです」 。

伸びた分ではなく、控えめにカット。

前髪だけなら、切りたいだけざくっとハサミを入れても大丈夫、と思っていたら……いつの間にか切りすぎていた。そんな経験を持つ人は多いのでは。「前髪だけ切るときも、まったく新しいデザインにしたいなら美容師に任せてもらって、やみくもに冒険しない方がいいと思います。伸びた分を少し切ってきれいにすっきりさせるくらいの考え方が、クウネル世代にはおすすめ考え方が、クウネル世代にはおすすめです」。例えば2cm伸びたから2cmというより、抑えめがいいと角さん。「全体のイメージのつながりやバランスがありますので、鬱陶しくなった分、1cmくらいに留めて」。

前髪だけに集中していれば間違いのないカット方法。

前髪の両サイドはカットしない。

「前髪カットが目的の場合、サイドの髪もカットすると、前髪とのつながりが崩れる場合が多いので注意」 。セルフカットだと、どこを切るかは意外にとまどう部分ではあります。「前髪は黒目から黒目までの間を切るとすると間違いないです。トップの毛 も多めに下に降ろしたりせず、通常の垂らし方で、前髪をとかしながら切ら ないパートをブロッキングして」 下欄のギャラリー2を参照のこと。「前髪を厚めにとっているパッツンボブの人はその目安は応用できませんが、 前髪を少しずつスライスしながら、慎重に切ること。毛量が多い人、髪質が硬めの人も同様です」 。

薄めのスライスで少しずつカット。

慎重に切る、というのは具体的にはどうするといいのでしょうか。 「少しずつ髪の毛をスライスして取っ て、降ろしてから切ります。少なくても3回以上、次々にスライスの層を重ねていきカットしますが、すべてを同じ長さに切るのではなく、理想として は外側より内側の毛が1、2ミリ短めになっている方が髪の落ち方はきれい に収まります」 前髪に厚みがある人なら、さらに何 回にも分けて、垂らしては切るを繰り返すこと。

ハサミは縦に入れる。

「切りすぎを防ぐためにハサミ選びは大切。ふつうのカットバサミだと切れすぎなので、刃が小さいもの、眉毛バサミくらいが丁度いいですね。刃が反っていないタイプにして。そして、横に使うのではなく、縦にハサミを入れていきます」。 現状の長さを○ミリずつ一定に切れば、前髪の線ががたがたになるということも避けられるはず。「切り口も横一線にならないことで自然になります」。

前髪を直接見て切る場合、メガネが必要な人も多いかも。ご用意を。
【コームで髪を撫でつけ整える】 通常の状態で、前髪部分をといて下ろす。今回は前髪を眉まで1 cmくらい切ることに決定。
【髪を3つにブロック分け】 黒目から黒目を結ぶラインの前髪を下ろし、左右の切らない部分はダッカールで留めておく。
【まず切る内側の毛を下ろす】 カットする前髪のブロックから、薄いスライスを取っ て下ろし、それ以外の毛は上に留めておく。
【ハサミを縦に切っていく】 最初に下ろした分を、指で髪を押さえながら眉バサミで少しずつカット。髪を見ながらでも鏡で見ても。
【次のスライス分をカット】 また少し髪を下ろして、カットする。最初に切った層より長めに仕上げておくと、シルエットがきれいに。
【最後のスライス分をカット】 留めていた髪を下ろして、カット。4、5で切ったよりわずかに長めに。全体を確認、 場合によっては調整し終了。
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きれいで自然に仕上がった前髪 。表情がぼやっとすることなく、クリヤーに。「黒目から黒目までで、欲張らず。確実に数本ずつカットしていくと間違いなく安全です」。(渡会さん)

『ku:nel』2020年11月号掲載

写真 玉井俊行 /取材・文 原千香子・間中美希子

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