映画好きの結城アンナさんが選んだ「愛すべき人たちを描いたファミリー映画」3本
映画好きでもある結城アンナさんに、愛すべき人たちを描いたファミリーについての映画3本をご紹介いただきました。
PROFILE
結城アンナ/ゆうきあんな
美しいシルバーヘアと自然体のライフスタイルが多くの女性の支持を得る。ヘルシーな料理を得意とし、『Anna’s Cookbook 季節の食卓』(主婦と生活社)、『Then & Now 結城アンナ』(扶桑社)などの著書あり。Instagram:@ayukihouse
家族の形はさまざま。愛すべき人たちを描いた愛すべき映画
「ここにピックアップした私が好きな3本はみんなファミリーについての映画です。血のつながらないファミリーの話もあるけれど、どの作品も面白い」と結城アンナさんは断言します。
まずはあの不朽の名作『ゴッドファーザー』。パート1が最初に公開された70年代に観て、大好きになりました。
「マリオ・プーゾの原作を先に読んでいたんです。原作を読んで、映画化されたものを観るとがっかりすることが多いでしょ。でもこの作品はまったくそういうことがなくて、驚きました」
ドン・コルレオーネを演じるマーロン・ブランドをはじめとする俳優たち、それぞれの役柄を繊細に物語る衣装やセット、ニーノ・ロータの流麗な音楽……。
「すべてが最高です。DVDで観たり、テレビで放送されたり、その後何度も観ているのに、観るたびに新しい発見があって、毎回感動してしまいます」
年齢を重ねて、人生後半について考えることも多くなったアンナさんにとって、『ドライビング Miss デイジー』も大切な作品です。1940年代のアメリカ南部ジョージアから始まるこの作品。頑固一徹に老いの日々を送る元教師のデイジーと、彼女の運転手となった初老の黒人ホーク。生きてきた背景も文化も価値観も違う二人が、まだまだ人種差別が厳しかった時代にともに生活するうちに心を通わせていく物語です。
「年をとってくると、不安な気持ちになったり、小さなことでいらいらしたりすることもあるけれど、でも一生懸命生きようとするデイジーの姿勢に共感します。ホークとの信頼関係にも胸打たれました。この二人は血のつながりはなくてもファミリーなんですよね。大人になって老後の話として観ると、最初に観たときとはまた違った思いになりますね」
もう1本、強烈で楽しい家族の物語が『リトル・ミス・サンシャイン』です。全米美少女コンテストを目指す7歳のオリーブと彼女のファミリーは変わった人だらけ。退役軍人の祖父は口の悪い好色漢だし、学者の叔父さんは恋人にふられて鬱状態、兄はなぜか「無言の行」で口をきかず、いつもすごく不機嫌。
「みんな変わっているんですよ。でもそんなファミリーが一つ屋根の下に暮らして、オリーブのコンテスト優勝を応援するの。いまの時代にとっても大切な『相手を受け入れる』ということが描かれています。おかしなところはあるけれど、相手を受け入れて、自分も相手に受け入れてもらう。お互いを許しあってサポートし合うことの素敵さ。主人公の女の子が可愛くて大好きです」
本を読むときも、家で映画やドラマを観るときも、部屋を真っ暗にして集中するのがアンナさんの鑑賞法。好みの作品を一心に観ながら、自身のファミリーのこと、これからのことも考える。いい作品には何度観てもそんなふうに心をとらえる力があるのです。
ANNA's CHOICE
『クウネル』1月号掲載 写真/須藤敬一、ヘア&メイク/清水ヤヨエ、取材・文/船山直子
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『クウネル』No.124掲載
あの人が、薦めてくれた映画
- 発売日 : 2023年11月20日
- 価格 : 980円 (税込)