2020年初頭からいまに続くコロナ禍。旅行業界や飲食業界など、主にサービス業界に大きな打撃がありましたが、そのほかにも、意外なところでしわ寄せが……。京都で70年以上の歴史のある『朝日製粉所』の三代目にお話を伺いました。
コロナで和菓子の需要も落ち込み…
『朝日製粉所』は創業74年の京都丹波の老舗製粉所です。京都丹波の美しい自然の中で育った米〈きぬひかり〉を、伝統的な胴搗き粉砕で製粉し、米粉や餅粉を製造しています。老舗和菓子にも多数使用されており、京都の和菓子文化を長らく支えてきました。
華やかなイメージのある京都の和菓子ですが、コロナの影響を受けているのだとか……。
「コロナが始まって以降、野点や、 祇園祭や葵祭、時代祭りなど、京都の三大祭りはすべて中止ですので、お菓子は売れません。家族で集まる機会も減り、季節の行事もできなくなったので子供の日を祝う柏餅、お花見で食べたい三色団子なども売れず、和菓子屋さん、そして我々のようなその更に下にいる生産者にとっては非常に厳しい状況が続いているんです…」
グルテンフリーのグラノーラ
そんな状況のなか始まったのが、一般家庭でも楽しめる米粉の加工品の開発です。そして誕生したのが、〈甘酒米粉グラノーラ 〉 。 甘酒の自然な甘みで、砂糖は不使用。有機オートミール、有機メープルシロップ、有機ココナツオイルなどを使い、とにかくナチュラルな素材でできています。
ドライフルーツやナッツもゴロゴロ入っていて、食感も味わいも多彩。栄養も豊富で、慌ただしい朝食時に、「これさえ食べておけば大丈夫」と思える一品は、常備しておきたいお助けフード。
食生活を見直したいマチュア世代に
「グルテンフリー、無添加、砂糖不使用で、安心に召し上がっていただける素材です。更年期症状によって、ご自身の生活スタイル、食生活を見直すマチュア世代の女性に喜んでいただけると思います。実際に、お客様のなかで小麦粉をやめてグルテンフリーにしたら体調が改善されたお話も聞きます。また、甘酒で腸活に励んでいる方も多いですね」
文/鈴木麻子