持続可能な環境や平和を求めるSDGs。美容界でもその動きは加速しています。一見難しく、美容製品のどこに活きているのかわかりづらいのですが、調べてみると意外にも数多くの製品が!まずは興味を持ち、知ることから、今、私たちにできること、注目したいブランドの取り組みを製品とともにご紹介します。
使う化粧品の原料や製法に興味を持ち、主体性を持って選ぶことから始めよう。
美容家・ オーガニックスペシャリスト/吉川千明
オーガニックビューティの第一人者と知られる。自然や植物の力に着目し、コスメやスパ、 漢方までナチュラルで美しいライフスタイルを提案する。
SDGs と聞くと難しく考えてしまいますが、何から始めたらいいのでしょう?
「大切なのは知ること、選ぶことです。知るとは、まず、自分が使う化粧品がどんな原料や製法で作られているかに興味を持つこと。そして人間の体に優しく安全で、かつ自然環境も壊さない製品を選ぶこと。企業の物作りへの姿勢を見て、主体的に選ぶクセをつけましょう」(吉川さん)
人や環境に優しいという点で取り入れたいのは植物由来のもの。
「植物は切って採取しても、きちんと手をかければ翌年もっと元な花や実がなる、喜んで使わせてくれるんです。例えば動物愛護から毛皮を着なくなったのと同じように美容もスタンダードが変わってくるのではないでしょうか。他にはレフィルや容器リサイクルの活用もいいですね。無理なく続けられることから始めて心も健やかに過ごせたら、きっと幸福度も高まると思います」(吉川さん)
資生堂
「MOTTAINAI精神から生まれた『アルティミューン』のレフィルを世界的に広げる他、海の未来を考えた100%植物由来の生分解性ポリマーを採用した 『アクアジェル リップパレット』の発売などの活動を進めています」(PR 松浦祐子さん)
コーセー
「新シリーズの『雪肌精 クリアウェルネス』を中核としてサスティナビリティ活動を推進。CO2排出量を削減するバイオマスPET、リサイクル率90%以上のダンボール素材の採用など環境に優しい製品作りを行っています」(PR 平井祐未さん)
明日 わたしは 柿の木にのぼる
「原料となる柿は福島県の国見町で栽培。国見町の特産品であるあんぽ柿の生産途中で廃棄されていた柿の皮を使うことで、高齢化や人手不足で悩む農家さんの所得も上がります。次世代へこの土地をつなぐことを目指しています」(代表 小林味愛さん)
五島の椿
「五島の宝である椿を活用して産業と雇用を生むことを目標にスタート。通常捨てられる花や葉も使い、生産過程で生じる椿の搾りかすなども肥料として畑に戻す循環型 農園を目指すと共に手仕事による品質にもこだわっています」(営業企画 吉濱芳さん)
ムラサキノオーガニック
「限界集落である琵琶湖の源流“奥永源寺”の地域活性化と東近江市の花で絶滅危惧種の“紫草(ムラサキ)”の保全と活用を目的に生まれたシコンコスメです。耕作放棄地を開墾して自然栽培にこだわり、地元産の植物油を配合」(代表 前川真司さん)
ナウレ
「沖縄宮古島の離島、池間島にてテリハボクの種子からコールドプレスで非加熱のタマヌオイルを製造。高齢者をはじめ多くの方に種の収穫や殻割りに関わってもらうことで、手作業でしか作れない柔らかさをもつオイルに。森を育て海を守り、人も元気に。小さく・ゆっくり・柔らかいモノ作りに取り組んでいます」(代表 三輪智子さん)
フロル
「自然のリズムと調和しながら健康な土壌を作り、持続可能な農業を目指す有機農法の最高峰、バイオダイナミック農法。長野県上田市でこの農法で育てられたカレンデュラから生まれたエイジングケアブランドです」(PR 浅野麻依子さん)
『ku:nel』2021年9月号掲載
写真 松村隆史/取材・文 薄葉亜希子/編集 河田実紀 Hata-Raku
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