写真家・中川正子さん×自炊料理家・山口祐加さん対談。20歳下の友人からは学ぶことしかないです!【年下フレンズ】
年齢にとらわれず、対等にお互いを尊重して付き合える友人は人生を豊かにしてくれます。年の離れた世代とも素敵な友人関係を築いている写真家・中川正子さんと自炊料理家・山口祐加さんに、お互いの魅力を語り合っていただきます。
PROFILE
中川正子/なかがわ・まさこ
写真家 52歳
2011年に東京から岡山へ拠点を移し、雑誌、広告など多ジャンルで活躍。エッセイ『みずのした』(くも3)ほか、〈クウネルWeb〉にてフォトエッセイ「50歳からの、小さな冒険。』を連載中。
山口祐加/やまぐち・ゆか
自炊料理家 34歳
東京生まれ岡山在住。料理教室の主宰、ポッドキャスト番組「聞くだけでごはんができるラジオ」など活動は多岐にわたる。著書に『世界自炊紀行』(晶文社)など。
写真/中川正子
新しい価値観や発想…… 若い世代に学ぶことばかり。
東京から拠点を移し、現在は岡山で暮らす中川正子さんと山口祐加さん。
20歳差の違いに心地よさも感じているというおふたりの関係性とは……?
出会いのきっかけは、地方への移住を考えていた3年前。以前から正子さんのVoicyを聴いていて、一方的に知ってはいたのですが、共通の友人から「正子さん、年下のエネルギーある人が好きだから連絡してみたら?」と言われ、岡山のことを聞いてみようと思ってコンタクトを取りました。
インスタのDMとかではなく、私の公式HPのフォームから連絡をくれて。しっかりしているなあ、って印象だった。
お会いするなりVoicy でコラボしようとなってその場で収録したんですよね。すごいパワフルな人だな、自分と似たものを感じるな、と思って。
祐加ちゃんの魅力は頭の回転がよくて率直なところ。岡山のことも「正直、東京から引っ越して、退屈しないですか?」とかズバズバ聞いてきて。その直球な感じが、望んでいないのにレジェンド扱いされて居心地悪かった私としては、めちゃくちゃ新鮮だったの。この間も、失礼だったらごめんなさいという前置きとともに「正子さん、生理終わっているんですか?」って。
いや、いつ終わるんだろうって、普通に女性として気になりません?
同世代だとデリケートな話題かもね。でも、そういうびっくり発言もまったく裏がない。ただ聞きたいだけ、という一貫した素直さ、正直さがあるから私は全然失礼とは思わない。
私、思ったことをそのまま口に出しちゃうので、それを受け止めてくださる人ってあまりいないんですよ。でも正子さんは私の純粋な興味として捉えてくれる。何より、20歳離れていることを感じさせないコミュニケーション力が本当に素晴らしいと思っていて。50歳すぎてSNSでダンス動画を披露しちゃうとかカッコよすぎます。
〝違う〟ことが前提だから、本音が聞けて心地いい。
右・中川さん、左・山口さん。「最近は月1回くらいのペースで、子育て中の彼女の家に私がお邪魔することがほとんど。祐加ちゃんの夫にも一緒に話を聞いてもらったりしています」(中川さん)
私、年上の方に「私おばさんだから」とか言われると、どう返したらいいのかわからなくて。「そんなことないですよ」と言うのも違う気がするし、「お綺麗です」って言ってほしいのかな?とか、いろいろ考えちゃう。
確かに、私も相手が承認を待っているのを感じると気疲れすることがある。私の場合は、褒めてあげなきゃとか先回りして、不安でなくさせるような言葉を言いたくなってしまうから。でも祐加ちゃんにはそういう〝チューニング〟が必要ないから本当に楽。
そもそも、これだけ世代が違うと、想像の範疇にないことを言われても、この世代はこういう風に考えるんだ、ってお互い違う前提で会話できるからすごく楽なんだと思います。
年齢がどうとかではないけれど、時代が違うという意味で言うと、例えばキャリアの重ね方も若い人は全然考え方が違う。祐加ちゃんが出版した本のいくつかは自分で出版社を選び、編集者を選び、その編集者が手がけた本も全部読んで決めた、という話をしてくれたじゃない。オファーがあったわけじゃないのよね?
はい、自分で企画書を書いて出版社に持ち込んで。
私はオファーの中から選ぶことはしていたけど全部受け身で、自分からつかみ取りに行くっていう発想がなかった。だから仕事の相談もよくするよね。DMでこんな仕事の依頼が来たけどどう思う?とか、最近の若い人はこういう言葉使うの?とか、ネイティブチェックしてもらう感覚で。
で、ダメだと思うことに対しては私たち夫婦が「それは受けなくていい仕事ですよ」と突っ込む。正子さんの優しさを使わなくていいところに無駄に使っちゃうのはエネルギーがもったいない。
本当に、祐加ちゃんからは学ぶことしかないです。
私からすると、年齢が離れているからこその悩みだったり、見えている世界だったり、同世代からは得られない視点を教えてもらうのがすごく楽しい。20歳差は縮まらないわけだから、正子さんを通してつねに自分の20年後の姿が想像できるじゃないですか。家族と関係性よく、好きなことをして、住みたいところに暮らして、という正子さんの生き方は私のロールモデル。
私は自分とタイプが似ている隣村の仲間に会えた、みたいな感じ。本音を隠して付き合う必要がなく、祐加ちゃんからはいつも本当の声が聞こえる。そこが人として好き。
対談を終えて
私が岡山に拠点を移したときは一大決心でしたが、移住にしても若い人はよりベターに生きるための前向きな選択、という感覚でとても軽やか。同世代にはない受け止め方、解決の仕方があり、祐加ちゃんは新しい視点を与えてくれる頼りになる友達です。(中川さん)
『クウネル』2026年11月号掲載
写真/中川正子、取材・文/矢沢美香
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