おそうざいはおせちの味方です!『賛否両論』店主・笠原将弘さん流「筑前煮」と「酢ばす」は一生使える定番レシピ

笠原将弘 またたべたくなるおそうざい カバー

東京・恵比寿の日本料理店『賛否両論』店主・笠原将弘さんの新刊『笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』(株式会社マガジンハウス)。YouTubeチャンネルの登録者数121万人、これまでの著書累計は160万部を突破する大人気料理人の笠原さんが、昔から親しまれてきたおなじみのおそうざいを、よりおいしく仕上げるための技をたっぷりと伝授。現代の日本人に伝えたい「おそうざい」58品を厳選して紹介する、家庭和食レシピの集大成です。

その中からおすすめレシピを抜粋し、二回にわたってお届けします。

絶対失敗しない和風ローストビーフの作り方」の続きです。

冷めてもおいしい 筑前煮

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」筑前煮

「干ししいたけのもどし汁で味に深みを出す」

定番のおそうざい

根菜やいも類、鶏もも肉などのうまみが重なり合った滋味深い味。
おせち料理の「炊き合わせ」のように見た目をきれいに仕上げたいときは、素材ごとに別々に煮るけど、
普段のおかずにするなら、作りやすさ優先ですべて一緒に煮よう。

材 料(2人分)
干ししいたけ…5枚
れんこん…100g
里芋…2個
にんじん…1/2本
ごぼう…100g
こんにゃく…200g
鶏もも肉…1枚
ごま油…大さじ1

A)
干ししいたけのもどし汁…2カップ
しょうゆ、みりん…各40㎖
砂糖…大さじ1と1/2

絹さや…8枚

使用する道具:鍋、フライパン
調理時間:20分(水につける、冷ますなどの時間は除く)
日持ち:約4日

作り方
干ししいたけはさっと洗って2と1/2カップの水に一晩つけ、やわらかくもどす。もどし汁はとっておく。固い軸を除き、ひと口大に切る。
れんこん、里芋、にんじんは皮をむいてひと口大に切る。ごぼうはたわしで軽くこすって洗い、皮ごとひと口大に切る。こんにゃくは5㎜厚さに切り、真ん中に1㎝くらいの切り目を入れ、端を穴にくぐらせる(手綱こんにゃく)。すべて一緒に鍋に入れて水から下ゆでし、煮立ったら弱火にして5分ほどゆで、湯をきる。
鶏肉は余分な脂や筋を取り除き、ひと口大に切る。
フライパンにごま油を中火で熱し、鶏肉をさっと炒める。色が変わったらを加え、ざっと炒め合わせる。
⑤ Aを加えて煮立たせ、アクをとる。弱火にして落としぶたをし、10分ほど煮る。筋を除いた絹さやを加え、さっと煮て火を止める。そのまま冷まして味を含ませる。

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

野菜も鶏肉も同じくらいの大きさに切り揃える

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

野菜とこんにゃくはまとめて下ゆで。アクを抜いて火の通りを早くする

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

アルミ箔で落としぶたをしてまんべんなく味をしみ込ませる

歯ざわりを楽しむ 酢ばす

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

「シャキッとゆでて甘酢に漬けるだけ」

野菜のおそうざい

れんこんと甘酢の相性のよさは格別。ひと晩おくとさらに味がなじんでおいしい。

材 料(2人分)
れんこん…250g
酢…適量

A)
水、酢…各1カップ
砂糖…80g

使用する道具:鍋
調理時間:10分(味をなじませる時間は除く)
日持ち:約5日

作り方
れんこんは皮をむき、酢を加えた熱湯に丸ごと入れて2分ほど下ゆでする。酢を加えた水にとり、水けをきる。鍋の湯はとっておく。
①のれんこんを薄い半月切りにし、5分ほど水につけてざるに上げる。湯が入った①の鍋に入れてさらに1分ほどゆで、ざるに上げる。
ボウルにAを混ぜ合わせ、赤唐辛子、だし昆布を加える。② を加えて表面に貼り付けるようにラップをし、冷蔵庫に1時間以上おく。

◎覚え書き
変色を防いで白い色をキープするために下ごしらえに酢を使う。目安は大さじ3ほど。

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

大きいまま下ゆでして表面をやわらかくすると切りやすい

弁当もおせちも、おそうざいが強い味方

日持ちのするおそうざいは、弁当向けの作りおきだけでなくおせち料理も守備範囲。

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

おせちに向くおそうざい
筑前煮、酢ばす、和風ローストビーフなど

盛りつけを変えるだけで、
人が集まるときの特別な料理に

盛りつけ次第でごちそうにもなるのも、おそうざいのいいところ。華やかな器を用意したり、彩りに葉物を添えたり、立体的に盛りつけたりするだけで、ぐっと食卓映えするひと皿になる。この本の中からバランスよく数品作れば、おせち料理としても十分成立する。幅広いシチュエーションで楽しめる懐の深さもおそうざいの魅力だと思う。

PROFILE

笠原将弘プロフ

笠原将弘/かさはら・まさひろ

東京・恵比寿にある日本料理店『賛否両論』店主。雑誌やテレビ、全国のイベントなど多方面で幅広く活躍し、和食の魅力を伝えている。プロのコツを楽しく解説するYouTube(チャンネル登録者は121万人/2025年12月現在)や家庭で作りやすいレシピが満載の著書も大好評。

「笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい」

家庭和食レシピの決定版、大好評発売中!

『笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』

いつもの家庭料理がぐっとおいしくなるひと工夫を、大人気和食店の店主が惜しみなく紹介した一冊。毎日のごはんづくりをはじめ、お弁当や作り置き、おせちまで幅広く活躍する全58品には、私たちの体に寄り添う、やさしくて大切な味が勢ぞろい。料理好きな人はもちろん、自炊が得意ではない人も「作ってみたい!」と思える、わくわくする調理のコツが満載です。

笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』1,760円(株式会社マガジンハウス)

撮影/竹内章雄

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