【島田順子さんメッセージ3】フランス社会では熟成した女性が好まれ、年齢は問題ではない

人生のほとんどをフランスで過ごしている島田順子さん。フランスの人と日々の関係を紡ぐ中で、気づき、共感し、ときには違いを実感し、馴染んできた、ものの考え方やふるまいを、改めて見つめます。

【島田順子さんメッセージ2】フランス人は意地悪という印象があるけれど、一度胸を開くと正直に話し合える からの続きです。

熟成した女性が好まれる社会。年齢は問題にならない。

フランスでは日本に比べて女性が強いとされていて、男性もそういう女性に惹かれがちだ、といわれています。

「もちろん個々人によるのを前提としてのお話ですが、素敵な男性は年上の女性を好む傾向があるような気がしています。もしかすると母親を投影しているのかもしれませんが、成熟した大人の女性に惹かれる男性が多い。女性をどこかで崇拝しているところがあるのかなと思います」

そこには、年齢をあまり気にしないという国民性も影響しているようです。

「たとえばマクロン大統領の妻のブリジットさんは大統領より24歳年上。夫婦やカップルはお互いに高め合う対等な関係であり、価値観が合えば年齢は重要ではないというのがフランス人の考え方」

結婚に対する見解もカップルそれぞれで違うのが当たり前という前提で、〝家〟や〝戸籍〟よりも当事者の気持ちが最優先。その結果、事実婚の形態を取っているカップルも数多くいます。

「そういう二人は、結婚は単なる紙切れの話であり、それよりも一緒にいることが大切だし幸せという大人の考え方。一方で結婚するカップルももちろんいます。いろいろな選択肢のあるのはいいこと。でも『結婚しようよ』というのは、私は愛の告白であり証だと思うのね。それはすごく大事なんじゃないかしら」

性別や年齢以前に人間同士の関係を大切にする国民。革命など、自力で自由を勝ち取って来た人たちに備わった信念を感じさせます。

PROFILE

島田順子/しまだ・じゅんこ

千葉県館山生まれ。1981年 JUNKO SHIMADA DESIGN STUDIOを設立。2024-25年秋冬でコレクション発表が86回目に。『島田順子 おしゃれも生き方もチャーミングな秘密』など著書多数。

『クウネル』2024年9月号掲載 写真/松永 学、取材・文/綿貫あかね、編集/黒澤弥生

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『クウネル』NO.128掲載

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