思い出が詰まった祖父の家を引き継いで。『PataPri』『Mon Souk』主宰・植村雅子さんのくつろげる部屋(前編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は『PataPri』、『Mon Souk』主宰・植村雅子さんのお部屋です。
間取り
季節を感じられる環境が、居心地のよさを増幅させて。
眼下には富士山を望む相模湾。海から急勾配の坂を登った高台に建つのは、レトロな趣のある洋風の一軒家です。祖父の家だったここに、植村雅子さんが住むことになったのは、約3年前。
24歳で渡仏し、長年パリに在住していた植村さんは、旅行で何度も訪れていたマラケシュでモロッコ人の夫と出会い、結婚を機にマラケシュで暮らしていました。そんなときに、姉の優子さんからの依頼で帰国。
「当初はモロッコに戻るつもりで、ここに7ヶ月滞在しました。フランスに移住して以来、それだけ長期で日本にいたのは初めてでしたが、ここって本当に自然がいっぱいでモロッコではあまり感じない四季が感じられたんです。春にはウグイスがさえずり、夏は蝉の鳴き声がすごいし、ああ日本だなって思いましたね」
ここで過ごした幼い頃からの記憶が、植村さんのなかで懐かしく蘇っていきました。鳥や虫の鳴き声を除けば、「人通りもなく静かな場所だから、大音量でも誰にも迷惑かけない感じもいいんです」という植村さん。Netflixで刑事ものやアクション系の映画を観たりしながら、くつろぐのはリビングルーム。
「家で仕事しているから、アトリエと行ったり来たりしていますが、いちばん居心地のいい場所はこのソファ前です」
PROFILE
植村雅子/うえむら・まさこ
シルクスクリーンでハンドプリントしたグッズの製作・販売をする〈PataPri〉と、モロッコのハンドメイド雑貨を販売する「Mon Souk」を主宰。Instagram:@patapri5413、@monsouk5413
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
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