朝ドラ『虎に翼』の世界そのもの?!神田須田町の絶品あんみつ。界隈の「奇跡の三角地帯」を歩こう

「朝の15分が楽しみで仕方がない!」と大評判の、現在、放映中のNHKの朝ドラ『虎に翼』。主人公の寅子が学生時代、そして弁護士になってからも折に触れて通い、物語の大切な場所となっていた甘味処『竹もと』。この『竹もと』に似た、昭和初期の風情を残す『竹むら』に行ってきました。古い店舗が並ぶ神田須田町界隈を歩きます。

池波正太郎も愛した老舗甘味処『竹むら』

朝ドラ視聴歴30年になりますが、『虎に翼』は歴代トップ3に入る夢中度です。ひとりよがりでない「頑張るヒロイン」、愛すべき登場人物のみなさん…。いつも15分が短く感じ、私の周囲でも「最高傑作!」というファンが多数います。

さて、主人公の寅ちゃんこと猪爪寅子やお友達のみなさんが何かと立ち寄るのが甘味処の『竹もと』。もしかして、ここがイメージかしら?と、東京・神田須田町の甘味処『竹むら』に久しぶりに行きました。昭和5年(1930年)創業の老舗で、古い木造住宅、畳の小上がりなど、昭和初期の風情がそのまま残っている奇跡のお店です。

入母屋造りで木造3階建てで、歴史的建造物の保護を目的とした「東京都選定歴史的建造物」に指定されている。

軒下に吊るされた木製の提灯が趣深い佇まい

揚げまんじゅう、粟ぜんざいが名物ですが、この日は「トラつば」を意識してクリームあんみつをオーダー。目の前の席に座ったパリッとスリーピースのスーツを着た若い男性がひとり座り、揚げまんじゅう(2個)とクリームあんみつをさっと食べて颯爽と去っていったのですが、なんだか「桂場先生」を思い出しました。(甘いものがお好きなんですね、、)。半分以上が外国のお客さんというのは、昭和とは違う風景でしょうか。

クリームあんみつ800円。キレのいいこしあんとコクのある黒蜜は、プリッとした寒天と最高の組み合わせ。

竹むらは、アニメ『ラブライブ!』に登場する甘味処のモデルともいわれていて、その影響か若いお客様もいっぱい。絶えず列ができていますが、回転が早いので、そんなに待つことはありません。こしあんのまんじゅうに小麦粉の衣をつけ、上質の油でカラッと揚げた〈揚げまんじゅう〉は手土産としてもおすすめです。

竹むら

住:東京都千代田区神田須田町1-19
電:03-3251-2328
営:11:00~20:00
休:日・月曜日・祝日

都内唯一のあんこう料理専門店

『竹むら』がある神田須田町一帯は、第二次世界大戦で起こった東京大空襲を免れた”奇跡の三角地帯”と呼ばれているそう。大正12年(1923年)の関東大震災後に再建された料亭建築が現存し、東京下町情緒がたっぷり残っています。

都内唯一のあんこう料理専門店。

『竹むら』の目の前には、あんこう料理専門店の『いせ源』が。昭和5年に建てられた木造3階建で、こちらも東京都選定歴史的建造ぶつに指定されています。

名物のあんこう鍋はコースで供され、肝の刺身、煮こごりやから揚げなどあんこうづくしの献立はそれはそれは贅沢な味わいで、冬の特別な日に何度か堪能しました。ただ、お昼はランチメニューがあり、重厚感ある建物のなかで老舗の味がお手頃にいただけます。

この日いただいたのは、あんこう煮おろし御膳1,800円。そのほか、あんこう柳川御膳2,400円、天ぷら御膳2,000円などが。

靴を脱ぐお座敷席ですが、靴は下足番さんに預け、木札を受け取る昔ながらの方式。

『いせ源』の醍醐味は、下足番さんがいるところ。玄関に半纏を着た熟練感のある下足番の方がいて、靴を預かってくださり、そのかわりに木札を渡されます。こんなところでも特別感が味わえるのです。

いせ源

住:東京都千代田区神田須田町1-11-1
電:03-3251-1229
営:11:30〜14:00 (L.O.13:30)、17:00〜22:00 (L.O.21:00)
※土・日・祝日は通し営業
休:月曜
https://isegen.com/

神田須田町はほかにも寄るべきスポットいっぱい

竹むら、いせ源のほかにも、界隈は魅力的なお店がいっぱい。いせ源の裏手には明治30年創業の鳥すき焼き専門店の『ぼたん』が。備長炭と鉄鍋でいただく鳥すき焼き、鬼平犯科帳の世界観で、味も絶品です。

竹むらの裏手には、『神田 藪蕎麦本店』が。明治創業の老舗で、一度火災に遭い、「あの風情ある建物が焼失!」とファンに惜しまれましたが、復活した店舗もそれはそれは立派で雰囲気たっぷり。

通し営業しているので、お昼を食べ損ねてしまった、、というときに助かります。店員の方の独特の掛け声が情緒たっぷり。

少し濃い目のつゆが特徴ですが、それはせっかちな江戸っ子がさっとそばをつゆにつけておいしく食べられるようにだとか?

そのほか、蕎麦の『神田まつや』、アップルパイやフルーツポンチが有名な『近江洋菓子店』、夏目漱石が愛したという洋食店『松榮亭』など、この界隈には行きたいお店がいろいろとあります。すべて徒歩圏内なので、ぜひ巡ってみてください。

※こちらの記事はクウネルのInstagramより転載・加筆してご紹介しています。

文/鈴木麻子

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