【初めての山歩きハウツー】アウトドアスタイル・クリエイター四角友里さんに教わる「クウネル世代の山歩きの楽しみ方」

幅広い世代に人気の山歩き。そこで、国内外で山歩きを楽しんでいるアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんに、人気スポット・鎌倉の山を歩きながら、「初心者のための山の楽しみ方」や「準備したいアイテム」について教えてもらいました。

RROFILE

四角友里/よすみゆり

「山スカート」を広めた山ガールブームの火付け役。「自然に触れる喜びを多くの女性に感じてもらいたい」と多岐に活動。2023年秋にはオリジナルブランド『MOUNTAIN DAISY PRODUCTS』をスタート。著書に 『一歩ずつの山歩き入門』、『山登り12ヶ月』。また『湘南ハイク』や自身で制作した冊子『KAMAKURA TRIP&HIKE』など、鎌倉の山の楽しみを普及する活動も行う。@yuri_yosumi  @mountain_daisy_products

初心者におすすめの山は?

鳥の声や風の音に耳を傾けながらの山歩き。想像しただけでも癒されませんか?これまでたくさんの山を歩いてきた友里さんにとって、山で過ごす時間とはどのようなものでしょうか。また、クウネル世代の初心者はどんな山からスタートするのがおすすめでしょうか。

「忙しい日常の中で、山を歩くことで深呼吸をし、自分らしさを取り戻せる気がします。山歩きは体を動かすだけでなく、心を動かす行為。瑞々しい五感が動き始め、リフレッシュできるはずですよ。私が最初におすすめするのは、例えば鎌倉の山のような駅からアクセスしやすく、ハイキングの感覚で1時間程度で歩ける低山です」

息が切れないくらいのペースを保つことが無理なく山歩きを楽しむコツ。

時には冒険心をくすぐられる岩場に出会い、童心に帰ることも。

山の目的や楽しみ方はそれぞれ。山頂に行くことを目的とする人もいれば、山の道すがらに咲く花を愛でに行くという人も。友里さんの場合はどんな楽しみ方をしているのでしょうか?

山歩きの楽しみ1:美しい景色を写真に残す

心に留まる風景に出会うたびに、シャッターを切る友里さん。

「カメラを持っているだけで、普段は足を止めないような小さな発見にも気づく心のスイッチがオンになる気がします。山歩きを通して、プラスαの趣味ができました」

シャッターを切る瞬間は、山歩きでの記憶を記録する特別な時間。

愛機は『FUJIFILM』のミラーレス一眼。持ち運びも便利で美しい写真もバッチリ。

山歩きの楽しみ2:麓の店に立ち寄る

登って下りることだけが山歩きではありません。友里さんはよく「山旅」と表現されていて、この日背負っているオリジナルブランドのリュックにも〈YAMATABI〉という名前がついています。

「麓の街を含めて歩くのが私にとっての山歩き。旅のイメージです。そこに暮らす方とお話するのも楽しいですし、その土地ならではの歴史や文化、食べ物にも惹かれますね。今日は北鎌倉の『御菓子司 こまき』さんにまず寄ってから山に入ろうかと」

この日の練切りは、晴れた空に山から舞い降りてきた雪をイメージした〈風花(かざはな)〉。

小さな和菓子に込められた自然を感じる幸せなひととき。

3代目店主の駒木洋一さん。和菓子は季節の移ろいとともに月に4〜5回モチーフが変わるそう。

山歩きの楽しみ3:山でのごちそうタイム

自他ともに認める食いしん坊の友里さん。もうひとつの楽しみは、山の中でおいしいものを食べること。こんな楽しみ方なら、さらに頻繁に山に行きたくなりますね。

「山の計画はいつもおいしいものとセットで。むしろ、あそこの店のこれを食べたいからあの山に登ろうと計画しているかも(笑)」

お気に入りの木製コップ。「山道具は暮らしの中でも愛用できるものを選んでいます」

自然のなかで食べる山ごはんは最高!

次に、山歩きを始める際に準備したいアイテムとそのポイントについて、アドバイスをもらいました。

山歩きの準備1:シューズ

歩き慣れない山道を最後まで安全に歩くために、まず準備したいのが山用のトレッキングシューズです。

「街で履くようなスニーカーに比べ、トレッキング用のシューズはソールが滑りにくくなっていたりと怪我を防いでくれます。シューズは専門店でアドバイスをもらいながら選ぶといいですね。ちなみに今日履いている『KEEN』のシューズは、踵や足首を固定してくれながら履き心地は軽やか。デザインも豊富でお気に入りを見つけやすいですよ」

『KEEN』<TARGHEEⅡ MID WP>20,900円
米国発の人気アウトドアシューズブラン『KEEN』のデイハイク向けのロングセラーモデル。足首へのサポート性を高める立体成形型ヒールロックや独自の防水透湿素材を採用。

初心者にはくるぶしまでホールドするミドルカットがおすすめ。捻挫の心配も減少。

ソールは滑りにくいように凹凸があり、山道のゴツゴツが足に響きにくい厚めがポイント。さらに防水タイプなら雨やぬかるんだ道などでも安心。

山歩きの準備2:ウエア

山専用のウエアを揃えなければと思いがちですが、そこで山歩きを始めるハードルが上がってしまうのも確か。

「初心者におすすめの鎌倉のような低い山なら、汗が乾きやすい化繊やウール素材を選び、体温調節で脱ぎ着がしやすいよう重ね着をすればOK。帽子は日除けになるハットタイプや冬ならニット帽、私が愛用するのはベレータイプ。山歩きの前後に街散策も楽しみたいので、いかにも登山服ではない自分らしいおしゃれも楽しみたいなと思っています」

アーバンリサーチのアウトドアレーベル『EKAL』と友里さんがコラボしたハイキング用ワンピースは、腰回りをカバーしてくれるデザインと自然に溶け込む色合いが素敵。

山歩きの準備3:バッグ

次に用意したいものといえばリュック。サイズやディテールなど、ポイントはどこでしょうか。

「初心者の日帰りの山歩きなら、飲み物や軽食、救急セット、レインウエアなどが入る容量の20ℓ程度がおすすめ。小物を入れるサコッシュもあると便利ですよ」

水筒などをサッと取り出せるポケットが多くついたタイプが便利。

『MOUNTAIN DAISY PRODUCTS』<YAMATABI>KOKE 15ℓ 26,400円

チェストベルトがあると、ショルダーベルトのずり下がりが防げます。

スマホなどを入れるサコッシュ。街歩きではお財布の出し入れも楽々。

山歩きの準備4:レインウエアとトレッキングポール

そのほかに用意したいアイテムを教えてもらいました。

防寒・防風着としても併用できるフードつきレインウエア。軽ハイクなら日除けにもなる折り畳み傘も便利。

腰痛や膝痛が気になる人にはトレッキングポールがおすすめ。膝に負担がかかりやすい下りなどでも安心。

ポールを使わない時は折りたたんでリュックへ装着。

いかがでしたでしょうか?初心者はまず、トレッキングシューズなど最小限のものを用意して、気軽な低山ハイキングから始めてみるのがよさそうですね。

次回は「初心者の山歩きデビューに最適な鎌倉のハイキングコース」を友里さんと一緒に歩いて紹介します!乞うご期待あれ。

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