初夏の週末、戸隠の素敵なホテルに泊まってきました。４月末に新しくできた『RITA 戸隠』。戸隠神社の参道にある１日2組限定の小さなホテルです。かつては公民館だった築70年の木造建築で、祭りの練習や、戸隠の伝統工芸である竹細工の作業などで地域の活性化に使われてきたそうです。そんな歴史ある建物が空間デザイン事務所『Luft』によって、静かに美しい佇まいのホテルへとリノベーションされています。

１階がレストランで、２階が客室。靴を脱ぎ、木の階段をのぼっていくと、部屋がふたつあります。ワクワク扉を開けると……、古い梁が通った高い天井が印象的な美しい部屋。空間はゆったりとられ、アンバー色の床や壁がとっても落ち着きます。

テーブルの黒いランプ、壁にかかったモノクロームの版画、ふかふかのブランケット、竹で編んだごみ箱など、部屋にあるすべてのものが、意味とデザインを考え抜かれ選ばれている、、そう感じられて、なんとも心地いいのです。

１階のレストラン『awai』は、20席のこぢんまりとしたレストラン。戸隠の野菜や長野の食材を生かしたフレンチのレストランで、宿泊客以外も利用可能です。地元の美味食材を使ったフレンチは驚きに満ちていて、「ここでしか味わえない」魅力的な料理ばかり。私がお邪魔した時は「シーズン最後の山菜」がふんだんに使われ、わらびや根曲だけなど春の香りを堪能しました。

そして刮目すべきは、水のおいしさ。チェイサーにいただいたお水があまりにもおいしくてその感動をスタッフに伝えたら、ホテルのある戸隠神社  中社周辺の住民の方々が使う水源があり、みなさんで丁寧に管理をしているのだと教えてくれました。料理の基本は水。その水がこんなにおいしいのだから、お料理がおいしいわけです。

戸隠に来たなら必ず行きたいのが、パワースポットとしても名高い戸隠神社。二千年余りもの歴史がある神社は奥社、中社、など五つのお社からなっています。約２ｋｍの「奥社」参道杉並木は樹齢420年超えの杉の巨木が連なり、とにかく荘厳＆感動。

ディナーのときに、「観光客のいない早朝がおすすめ」とホテルスタッフに教えていただき、朝の5：30に参道を歩きました。鳥のさえずりをシャワーのように浴びながら、神々しさを感じる道を静かに歩く散歩道（最後は山道）。脳から丹田から、つま先まで清々しい空気で満たされます。

なかなかハードな参道トレッキング後のお楽しみは戸隠名物の竹細工とお蕎麦。「戸隠蕎麦食べ歩きマップ」には30もの蕎麦店が乗っていて、その中から好みを探し、はしごしました。食も自然も豊かな戸隠は本当に素敵なところ。善光寺からも車で近いですし、大人の女子旅におすすめです。