元気と若さのための努力がむしろ逆効果だった!?前回に引き続き精神科医の和田秀樹先生が目からウロコの健康法を伝授します。
和田秀樹/わだひでき
精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒業。30年以上、高齢者医療の現場に携わる。近著に『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)。
守りに入らず、当たって砕けろ
ミスは増える、物忘れはひどくなる。人生後半は、仕事でもプライベートでも自信がなくなり弱気になる一方です。でもそれは謙虚ではなくネガティブなマインドで、負の連鎖を招いてしまいます。
「もう私はダメだから、と思って得することはひとつもありません。65歳でも残りの人生はまだ20年以上。これからは、どう アクティブに生きるかがテーマです。生まれ変わったように、やり残したことを後悔しないくらい、なんでも積極的にチャレンジを。失うものなんてない、残りの人生は実験!と考えれば怖いものなし。似合わないと決めつけていた大胆なデザインや派手な色の服も着てみましょう」
「新しいヘアスタイルや髪色に挑戦してみましょう。知らない人にも声をかけてみましょう。失敗するのは当たり前、うまくいけば新しい世界が広がってラッキー。「この道しかない」という生真面目な考えの人ほど、うまくいかないと挫折して鬱になりやすいもの。「やってみなければわからない、つまずいたら別の道を探せばいい」という当たって砕けろ精神で前に進みましょう」
「そして、実はこれからの時代は、効率のよいやり方を考えてくれるAIが高齢化社会をサポート。デジタル技術の活用は、中高年にとっては追い風になるはずです」
『クウネル』2022年11月号掲載
イラスト/菊野友美、材・文/片岡えり、構成/今井 恵