丁寧に服を吟味したり、着こなしを考える豊かさに舵を切る

キャラクターや装いなどすべてを含め、センスのあるカッコいい人たちがいます。それは 、自分らしいスタイルを持っているということ。特にファッションは 、大事なセオリーやこだわりがあるよう。生き方も見えてくる!

ピンクのワンピースに紺のコートを羽織ったかの香織さんが立っている
オンリーワンの世界にどっぷり。色も限りなく追求。「セミオーダーの適度に自由なスタイルがよくて」。夥しい生地サンプルから選びデザインの細部に注文、仮縫い……で自分だけの服が完成。かのさんに30年を経て再来中の「ピンク時代」を映したフューシャワンピース+コート+ 意外性ある『フェラガモ』の靴。

「私にはこれというものがある。そういう人生を今選ばないといけない、と思ったんです」大量生産でもクオリティが高くシンプルで、便利という服が簡単に手に入る時代。でもそういう楽さにもう身を委ねず、「これ」を求めること……。

ミントカラーのワンピースにライトブラウンのコートを羽織ったかの香織さんが壁に背を預けている
古着風のボタンに釘付けのコートで色を足す遊び。サイズ、デザイン違いのボタンが愉快、「デザイナーは私と同じ趣 味に違いないと確信した」コートに、ミントカラーの『マッセメンシュ』のチャイナドレス。『MOY Paris』のコットンパールブレスレットはコレクション中。ストラップシューズはタイツと同系色で、光沢あり。革の色やストラップを選びオーダーしたバッグで。

「まずは色。気付くとグレーやベージュばかり着ていて、あれ、楽しめてな いかもと思いました。ストレスフルな時代、重たい話をする時にも鼠色を着てるの私?って。黒い服も禁じたんです。黒はかっこいい服が多いと思いますがあえて色を意識して暮らそう!と」

ホワイトのワンピースに赤のストールを羽織ったかの香織さんが立っている
記憶を反芻しつつ 持つ小物も生かす白の着こなし。「テーマカラーの一つ」白の装いに、近所のサリー店で「凝った織の話も興味深くて」購入したストールを。ビーズバッグは昔、北インドの街の路上で100個ほど女性が売っていて「話しながら一日かけてお土産と自分用を選んだ、 その時間が贅沢でした」。

色を選び、表現を考えていく過程が本当に楽しそう。もともと服のリメイクも好きで、贔屓の職人さんとつき合い続けるかのさんが、最近出会いはまるのが、神戸真知子さんデザイン『machiko jinto london』のセミオー ダー。

「自分だけの服が作れるのは素敵です。おしゃれに関してはじっくり選んで手を抜かない。面倒臭いのも平気。手仕事の物も注ぎ込まれた時間や手間を思うから愛するしかないです」自分に合うオンリーワンを探し楽しむ、その豊かさがスタイルに反映されて……羨ましい光景です。

ダークグリーンのワンピースを着たかの香織さんが立っている
活躍範囲も広い完全に自分好みの服。『machiko jinto london』で誂えた「好きなグリーンの」シルクウールワンピース。ベルレッタの手作りフェイクファーのバッグ、スカーフ、コンビの靴でカジュアルに。「組合せ次第でフォーマルにもできるのも素敵。いい物を買って80、90歳まで大 切に着ていきます」

『クウネル』2022年9月号掲載

写真/徳永 彩 kiki、へア&メイク/赤松絵利 ESPER、取材・文 原 千香子、河田実紀

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