キャラクターや装いなどすべてを含め、センスのあるカッコいい人たちがいます。それは 、自分らしいスタイルを持っているということ。特にファッションは 、大事なセオリーやこだわりがあるよう。生き方も見えてくる!
かの香織/かのかおり
音楽家・日本酒蔵元12代目
作詞作曲家、シンガーでもあり、多分野の音楽プロデュースも手がける。生家である1757年創業のはさまや酒造店12代目当主。復興県の子どもたちの心の支援、校歌復刻にも尽力。
「私にはこれというものがある。そういう人生を今選ばないといけない、と思ったんです」大量生産でもクオリティが高くシンプルで、便利という服が簡単に手に入る時代。でもそういう楽さにもう身を委ねず、「これ」を求めること……。
「まずは色。気付くとグレーやベージュばかり着ていて、あれ、楽しめてな いかもと思いました。ストレスフルな時代、重たい話をする時にも鼠色を着てるの私?って。黒い服も禁じたんです。黒はかっこいい服が多いと思いますがあえて色を意識して暮らそう!と」
色を選び、表現を考えていく過程が本当に楽しそう。もともと服のリメイクも好きで、贔屓の職人さんとつき合い続けるかのさんが、最近出会いはまるのが、神戸真知子さんデザイン『machiko jinto london』のセミオー ダー。
「自分だけの服が作れるのは素敵です。おしゃれに関してはじっくり選んで手を抜かない。面倒臭いのも平気。手仕事の物も注ぎ込まれた時間や手間を思うから愛するしかないです」自分に合うオンリーワンを探し楽しむ、その豊かさがスタイルに反映されて……羨ましい光景です。
『クウネル』2022年9月号掲載
写真/徳永 彩 kiki、へア&メイク/赤松絵利 ESPER、取材・文 原 千香子、河田実紀