前回【マチュア世代のおしゃれサンプル#04】に登場いただいた下村直子さん。今回は、バッグの中身を拝見。さらにご自身で「リメイク」されたアイテムを見せていただき、リメイクをはじめるきっかけ、リタイアされた今やりたいこと、できること、もうすぐ迎える60代に向けて伺いました。
●下村直子さん 58歳 リメイクデザイナー
アパレル業界でデザイン、MD(マーチャンダイジング)、ヴィンテージアクセサリーのバイヤーなど、ファッションに関わる仕事で長年活躍。リタイアされた今もアパレル会社でアルバイト勤務をしながら、「リメイク」をライフワークとして、自分らしいバランスのいい時間を過ごされています。
Instagram:@fringe70_remake
整理整頓。軽量でカラフルなバッグの中身
外出する際は、なるべく歩くようにしている下村さん。程よい大きさのバッグの中身は、必要なものを小分けにまとめ、きちんと整理整頓。ボディバッグやサコッシュを使うことが多いせいか、お財布(中央シルバー)は三つ折りのミニサイズだったり、その他のポーチも軽い素材のものをいつの間にか選んでいたようです。
左上『KiU』のサコッシュは、軽くて、容量もあり、ウォータープルーフなので雨の日にも便利。バッグの中に入れても嵩張らないのでおすすめなんだそう。
広げて見てみると、黄色やみどりなど、意外とポップなカラーを使っていたという新しい発見も。気づかない内にカラーを楽しんでいたようです。
環境も自分も変わる
今までどおりには行かない50代
50代に入って、母親の介護や死を経験され、友だちも地元に戻ったり、いつの間にか環境が変わっていきました。2年前からは実家で父親と二人暮らしが始まり、それまでの一人暮らしから、大きく変化していきます。
「体調が悪い時もあったり、これまでとは違って、思うようにならないなと。それは、周りだけじゃなくて、自分もなんだなって」
元々楽観的な性格ではないそうですが、親友を亡くして時間には限りがあると実感、「悩んでいるだけ時間が勿体ない。ダメだったらやめればいい」と考えを変えることで、楽に生きて行けるようになったそうです。
「リメイク」というライフワーク
両親が服飾の仕事をしていたこともあり、母親が亡くなった後、いい生地の洋服や大量の端切れがでてきたそう。しまって置いては勿体ないと思っていましたが、しばらくそのままに。
ある時、自分の着なくなっていた洋服のサイズ直しをしていると、「作るのが好き」と感じたそう。長年やってきた仕事で、デザインを考えたり、パーツを探すのも好き、母が残した生地もあるし、合わせてやってみようと「リメイク」をライフワークとしていくことに。
新たな居場所を見つけたことで、“自分らしく”に至ったそうです。
捨てたくないをリメイクに
長年お気に入りだった洋服、サイズが合わなくなったり、生地が気に入っていてもシルウェットが今っぽくなかったりetc.そんな洋服を下村さんは、リメイクに活用。
「捨てたくない思い出の洋服ってありますよね、それを解体して再利用したり、サイズが入らなくなったものは、その部分だけ別の生地をプラスしたりしています」。
今回見せていただいたパフスリーブのカーディガン、長年ご自身が着ていたグレーのカーディガンを解体して、袖部分はパターンを引き、母がよく着ていたスカートの生地やそれに合う生地を使ってパッチワークにしました。
これから突入する60代は、もっとバランスよく
「まだまだやってみたいこと、興味があることが多くて。これまでの経験やスキルをベースに、やりたいことといいバランスを取りながら、進んでいきたいですね。60代になったら、もっとマイペースに過ごせると思います。年をとっていいこともあるし、全部はいいようにはならないでしょうけどね笑」
取材・文/酒井祥子