「京都の奥座敷」ともいわれる京都亀岡・湯の花温泉の老舗旅館『すみや亀峰菴』に、現代アーティストが手がける「アートルーム」が誕生!
アートと伝統の技がいたるところに
嵯峨嵐山から出発するトロッコ電車の終着駅でも知られている、京都府亀岡市。亀岡駅から車を15分ほど走らせたところに、京都唯一の温泉郷・湯の花温泉があります。「京都の奥座敷」ともいわれ、風情ある四季折々の景観を楽しめたり、保津川下りなどの観光の起点としても好適な場所です。
湯の花温泉の一番奥に構える1955年創業の『すみや亀峰菴』は、かつてジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻が訪れたことでも知られる老舗旅館。昨年から手がけた館内のリノベーションには、犬島精錬所美術館をはじめ、国際的に評価される現代美術家・柳幸典さんを招聘。ギャラリーを兼ねたロビーとスイートルーム「呼風(こふう)」を新しく完成させました。
『すみや亀峰菴』の茅葺き屋根の門をくぐり玄関を入った先には、ロビーを兼ねたアートギャラリー「百代(はくたい)」がお出迎え。葛飾北斎やアンディ・ウォーホルの作品を引用した「アント・ファーム シリーズ」が目を引きます。窓際には、京丹波に工房を構える陶芸家・石井直人さんの壺を展示。壺が置かれた床には、焼き物で使う棚板が埋め込まれ、染み込んだ釉薬の色の変化がそのままに生かされています。
ロビーの奥に備えたカウンターの土壁は、世界的に活躍する左官職人・久住章さんによって千利休の茶室「待庵」の壁を模したもの。アートと伝統の技がいたるところに見ることができます。
140平米の部屋が丸ごとアート作品!
アートギャラリー「百代」から宿泊棟へと橋渡しをする“鉄のキューブ”をくぐって、いよいよアートルーム「呼風(こふう)」へ。
部屋の間取りは、客間、ベッドルーム、ダイニングと、2つの露天風呂が付いた140平米のスイートルーム。
部屋の内部には「イカロスの回廊」と名付けられた廊下が左右に2本。一見、真っ黒な空間にドキッとさせられますが、壁は手漉き和紙で温かみのある風合いに仕上げてあります。回廊の先には、石井直人さんによる「破れ壺」の中から炎がゆらめきます。
また、「呼風」では、2つのユニークな露天風呂もチェック。
分厚い透明アクリルでつくられた「天の風呂」は、プリズムによって壁に虹が浮かび上がる仕掛け。朝と夜で見られる虹が違うので、両方をお見逃しなく!
客間の先に設えた露天風呂「地の風呂」は、石井直人さんによる緑の陶板と、左官の久住さんが手がけた巨大な浴槽が圧巻。ゆったりと湯につかりながら、匠の技を堪能できる贅沢な空間です。
料理長が腕を振るう料理をお部屋で堪能
「呼風」の宿泊ハイライトは、お料理。料理人が部屋に赴き、「呼風」の宿泊者だけが楽しめる料理を振るまってくれます。
湯の花温泉郷のある亀岡は、嵯峨嵐山とを結ぶトロッコ電車や保津川下りをはじめ、京都で一番のパワースポット!?と話題の出雲大神宮など、観光スポットもたくさん。いつもとちょっと違うアート体験と京都観光をしに、ぜひお出かけください。
すみや亀峰菴
住:京都府亀岡市薭田野町柿花宮ノ奥25番地
電:0771-22-7722
アートルーム「呼風」
1泊2食110,000円/名(2名1室利用時)
https://hakutai.sumiya.ne.jp/artroom-kohoo/
https://www.sumiya.ne.jp
アクセス:京都駅から嵯峨野線「亀岡駅」下車、車で約15分
取材・文/神保亜紀子