出合ってしまったら連れて帰らずにはいられない偏愛アイテム。 厳しい眼でセレクトし、大切にしているグッズなど、 愛してやまない「もの」にまつわるストーリーをとっておきのコレクションとともにご紹介します。
こてらみや
料理家、フードコーディネイター
ここでは紹介でき ないおさるコレクションがまだまだたくさん。ファン シーは苦手だが、面白くて笑えるものが好き。今秋にアノニマ・スタジオより新刊を上梓の予定。
こてらみやさんが愛しげに遊んでいるのは、 イケアで見つけたオランウータンのぬいぐるみ。量産される、ごく普通のものですが、いまやリビングの主のような存在感。
「部屋に入ってきて、この子がいるとニヤッとしてしまうんです。 おはよう、なんて声をかけたりして」
こてらさんの自宅には、そこかしこにさまざまな表情のオブジェやアンティーク、アート作品が並んでいます。 中でも目立つのはおさるモチーフ。
きっかけは20代の頃に一緒に仕事をした編集者が、「おまえにそっくり!」とサンリオの『おさるのもんきち』のグッズをくれたこと。
自身も、祖父も、 そして夫も、みな申年。もんきちをきっかけに、なんとなく親近感を抱いて いたおさるの人形や器、オブジェを集め始めたそう。
「安いものも高いものもあるし、自分で買ったもの以外にもらったものも多いです。おさる好きをアピールしていたら自然と集まってきました」
本物のさるはコワイところもあるし、動物園に頻繁に行くわけでもないけれど、キャラクターとしてのおさるの愛らしさが大好き。
「おさるたちがもた らしてくれる、ささやかな笑いが生活を楽しくしてくれるのです」
『クウネル』2022年7月号掲載
写真/和田直美、取材・文/船山直子