「フェムテック」て何ですか? 生理、更年期、身体のこと。悩んでいるのは私だけじゃない【前編】

フェルマータ 吸水ショーツ フェムテック

最近、よく耳にする「フェムテック」という言葉の意味をご存知ですか? 実は、女性なら誰もが関係のあること。女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うfermata(フェルマータ)株式会社共同創業者で現CCOの中村寛子さんにフェムテックについて伺いました。

ーー「フェムテック(Femtech)」とは?

「フェムテック」という言葉が生まれたのは、2012〜13年頃といわれています。フェムテックの定義は、「テクノロジーを用いて女性特有の健康課題を解決するプロダクト」のこと。生理や妊娠、更年期などが、メインのカテゴリーです。しかし、吸水ショーツや月経カップなど、広義では幅広い商品が含まれます。

私たちの会社Fermata(フェルマータ)では、「今までの価値観や固定観念を変容するムーブメント」も、フェムテックの重要な側面であると考えています。吸水ショーツや月経カップなどノンテックのものでも、これまで考えられてこなかった悩みに対して、新しい選択肢として、物を通して向き合うきっかけを提供しているからです。

ーー日本でフェムテックが注目されるようになった背景やきっかけはありますか?

ひとつに「生涯月経数の変化」があると思います。昔のように5〜6人出産していた女性たちは、生涯月経数が約50回から100回でした。現代の女性は、社会進出も進んだことによって出産回数が3人以下になったり、出産しないという選択肢も選ぶようになり、生涯月経数が約450回から500回まで増えています。

ーー10倍近くも!

そうなのです。人生で月経の回数が10倍にも増えるだけでなく、社会進出に伴って、社会において女性が担う役割も変わってきました。多忙な中で、自分のQOL(生活の質)を上げるにはどのようにすればいいかと考えた時に、当事者たちの中から選択肢としてフェムテックアイテムが誕生しました。

フェルマータ ニューススタンド店舗 乃木坂
FERMATA STORE IN NEW STAND TOKYO
fermataが運営する、日本初のフェムテック専門の路面店。
住所:東京都港区六本木7丁目2番8号 WHEREVER 1F
営業時間:12:00-19:00 ※1/28(金)から当面の間、12:00-17:00の短縮営業。
定休日:火土

ーーフェムテックはどんな人たちが取り入れてますか? 年齢を重ねている方も多いでしょうか?

世代よりも「自分のよりよい理解者になりたい」という気持ちを持っているかどうか次第だと思います。あくまでも傾向ではありますが、世代で考えた場合、比較的若い方たちはフェムテックに対して抵抗がない方が多いです。

歳を重ねると、育った環境や心のどこかで「こうあるべき」「我慢すべき」という考えを持っている方も多く、なかなか手が出しづらい傾向にあるかもしれません。

ーー女性の身体の悩みは、我慢すればいいのか、病院に行くべきか、見極めが難しいですよね。

まず、我慢は絶対にする必要はありません。体調のことで悩んでいるのに、なかなか話せないという方がこれまで多かったのではないかと思います。生理は病気ではないという理由から「生理くらいで」と思ってしまったり、更年期の悩みも「恥ずかしいから」と言えなかったり、更年期なのか、PMSなのかも分からなかったりする方が、多くいらっしゃったと思います。

産婦人科に行くのがベストなソリューションですが、そこにハードルがあるからこそ、悩みを抱えてもやもやしている方たちが多かったのではないでしょうか。

フェムテックの製品は、個人の課題を解決するために生まれたアイテムが多いので、製品の存在を知ることで「悩んでいるのは、自分だけではないんだ」と、気付くきっかけになっているのではないかと思います。

フェルマータ ケーゲルベル 骨盤底筋トレーニング
ケーゲルベル (骨盤底筋トレーニング) 12,980 円(税込)
ケーゲル体操=骨盤底筋トレーニングができるトレーニングアイテム。産後や更年期で尿漏れが気になる時はもちろん、予防にも。

ーーフェムテックの製品をみると、月経カップや吸水ショーツなど生理関連のアイテムが多いですよね。更年期にはどんな悩みが多く、どんなアイテムが多いのでしょうか?

生理関連のアイテムが多い理由は、当事者の人数が圧倒的に多く、課題として表に出やすいという理由があります。フェムテック市場や関連企業の特徴として、起業家がソリューションのない自身のモヤモヤや悩みなどの課題に対してそのソリューションを作ろうと生み出したものが多いためです。更年期については、語られていないことがまだ多く、今後に期待がかかる市場です。

ーー更年期は、「経験しないとわからないもの」「触れにくいもの」という印象があります。

生理と同じように、100人いれば、100通りの更年期があるのではないでしょうか。今はなかなか「言語化」されていないのが現状だと思います。更年期に限らず、女性の健康全体に関して言えることですが、今見えている女性の健康課題は氷山の一角に過ぎません。

これまで語られてこなかったり、語っていいのか分からなかった方たちが、たくさんいます。今、ようやくその言語化が進み、新たな解決策が次々に生まれている時代です。私たちが生きている2021〜22年は、その言語化を進めている段階にいる時代です。

更年期世代の方と店頭でお話する中で多く出てくるエピソードは、デリケートゾーンの違和感です。閉経を迎えた女性の多くが、膣の中の乾燥によって、歩くのがつらいと感じるそうです。

それを今からケアできるのであればしたいと思う方も多いはずですし、お肌と一緒で保湿をきちんとしていくことが大切だと気づく人もいますので、今はそれを我慢しなくていいと伝えられるようになってきたかと思います。デリケートゾーンのケアアイテムを求める更年期を迎えようとしている方は多いです。

★【後編】では、デリケートゾーンケアの取り入れ方などについてお話を伺います。

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