いつもおしゃれに、人生を楽しんでいる印象が強いフランスマダムたちですが、恋愛、結婚、出産、仕事、親子関係と、実はさまざまな事情を抱えながら生きているのです。だけどその姿勢は、いつもポジティブ。年齢で諦めるものは、ひとつもありません。その気持ち、生き方を取材しました。
カーリヌ・クスタル・ルゥボーディさん
イベントオーガナイザー
レアールに近いパリ1区という中心地のアパルトマンの最上階で、文筆業の夫、14歳の息子、9歳の娘と暮らす。2015年にイベント企画制作会社の共同経営者になった。
政府関係の会議やイベントを取り仕切る、イベント会社の共同経営者であるカリーヌ・クスタル・ルゥボーディさん。「結婚して17年となる夫とは、とてもいい関係です。3年後に子供が産まれましたが『子育てで何かを諦める人生を送りたくない』という私の考えを尊重してくれて、家で執筆する時間が多い彼が、買い物や料理を担当してくれています」。とはいえ、子育てはふたりが協力して。当時は今ほど忙しくなかったカリーヌさんと夫とで、忙しくない方が面倒をみるというスタイルに。
「最近は子供も大きくなってきたので、月に1、2週間は海外出張に出ています。政府がクライアントということで、出張中は責任やストレスがとても大きく、家のことや子供の学校のことに頭が回りません。仕事に集中できるのは夫のおかげ。彼も仕事をしている私を誇りに思ってくれているので、お互いの仕事が夫婦の問題になることはありません」 。住んでいる地域の環境も、この生活スタイルを支えてくれています。
「住んでいる地区が、LGBTやシングルマザーなども含め、ダイバーシティ的なリベラルな考え方の家庭が多いんです。だからママが仕事で家に不在という家庭も多く、子供たちも自然に受け入れてくれる」。 夫婦の共通の趣味は旅。子供たちは生後6ヶ月からパスポートを持ち、両親とともに旅に出ていたそうです。
「旅の時間は家族の大切な思い出となり、忙しい私が家族と過ごせる貴重な時間。また旅のおかげで、子供たちの視野が広がった気がします」。 パリでは男女がどんどん平等になってきていると話すカリーヌさん。「私自身、結婚以前から自立心がとても強かった。だからそんな私を受け入れてくれる、懐の深い男性を自然と選んだのかもしれません。」
旅先で買った、思い出のネックレス
旅行や出張先で必ずネックレスを買うというカリーヌさん。出張は年20回。エジプト、トーゴ、コートジボワール、セネガル、ケニア、モロッコなど、アフリカ諸国が多い。
旅の思い出はインスタントカメラで
家族旅行では、夫のルドヴィクさんがインスタントカメラで風景や家族を撮影する。一枚ずつ貼ったこのアルバムは大切な宝物。眺めているだけで心が落ちつくとカリーヌさん。
イベントのパスは自分の記念品
思い出が詰まったカンファレンスやイベントのパス。ワン・プラネット・サミットやフォーラムアフリカなども手がけ、4000人の大規模なものから100人単位のものまでさまざま。
『ku:nel』2020年11月号記載
写真 篠あゆみ / コーディネート 石坂紀子 / 文 今井恵
●フランスマダムの離婚シリーズほか
◎【フランスマダムの離婚物語】「何度別れたって、私の人生は恋と共にある」
◎【フランスマダムの離婚物語】「いつかシングルの女友達と同居生活を」。離婚で増えた人生の選択肢。
◎【フランスマダムの離婚物語】二度目の結婚も積極的!「新しい彼が私のフェミニンな側面を引き出してくれた」
◎【フランスマダムの離婚物語】悲しみの先に見つけた、自由で気ままなシングル暮らし。