【クウネル世代の生活の整え方】調香師・大沢さとりさんが続ける「朝の一服」の楽しみ

クウネル・サロン プレミアムメンバーとして、毎月「お菓子と花のちいさな歳時記」をご紹介くださっている、調香師の大沢さとりさん。これは、大沢さんのライフワークでもあるインスタグラム「毎朝の一服」から、おすすめを抜粋したものです。今回は海外でのエピソードも交えて、その楽しみを、大沢さんに語っていただきました。

インスタグラムに「毎朝の一服」というタグを付けて、お茶のひとときを載せるようになって、6年が経ちました。最初は単純に、慌ただしい朝の時間に、抹茶をゆっくり飲んで気持ちを落ち着かせることが目的でした。
でもそのうち、母(女学校時代を入れると茶歴80年)が、コレクションしているお茶碗や茶道具を取り合わせたり、大好きな季節のお菓子をいただいたときに、記録に残したいと思うようになって、写真を撮りはじめたんです。さらに、それをインスタグラムに載せて、みなさんと交流するようになってからは、ますます記録することがおもしろくなってきました。

自分でも、朝の一番忙しい時間を割いてなんでわざわざ……という気もするんですが、凝り始めると際限がないんですよね。今では、写真と一緒に記念日や歳時記のことなども盛り込んでアップするのが、すっかり日々の楽しみになりました。

日本のお菓子は、本当にバラエティに富んでいますよね。「毎朝の一服」を習慣として始めた当時は、デパ地下まで足を運んで、お茶菓子を選んでいましたが、最近は「パルファン・サトリ」アトリエ近くの『青野』さんや、ミッドタウンの『とらや』さん、六本木ヒルズ・ノースタワー地下1階にあるギフトエリアなど、もっぱらご近所で、散歩も兼ねて買っています。

赤坂御用地の緑を望む、絶好のロケーションにある『とらや 赤坂店』。建築家・内藤廣氏によるモダンな設計が特徴。

調香師という仕事柄、海外を訪れる機会も多いのですが、ヨーロッパやフランスなどの旅先でも、おなかとお肌の調子を整えるため、朝の一服は欠かせません。抹茶と茶筅 (ちゃせん)さえ日本から持参すれば、カフェオレボウルなど、そこにあるものを使って簡単に点てることができます。
と言いながら、カップやボウルさえ見つからないときや、水の硬さによってまったくお茶が泡立たなかったりして、未だに四苦八苦することもありますが、それもまた旅の良い思い出ですね。

現地で見つけた、鮮やかなブルーカフェオレボウル。お茶請けは、お干菓子や羊羹、日持ちのする焼き菓子を持って行けば、2~3週間は困りません。

南仏に、私にとってガーディアン(保護者)のような存在であり、日本の文化をこよなく愛する、香料会社の社長さんがいます。会社はグラースで、お住まいはカンヌなんですが、現地滞在中はいつも、家のテラスで抹茶を点ててあげるのが恒例行事になっています。カンヌは水道水が飲めますし、水質も軟らかいので、お茶が点てやすいのです。
初めて抹茶を見た日の彼は、興味津々でした。あまりに鮮やかな緑色の抹茶を見て「色素を入れているのか?」と、聞かれたことを今でも覚えています。一昔前のグリーンティといえば、中国緑茶が主で、水色も薄く、あまり苦みや渋みがないものが主流でしたので、新鮮だったのでしょうね。

昨年はコロナで渡欧は叶いませんでしたが、今秋か来年、またフランスの地で朝の一服が楽しめる日を願っています!

2016年5月「グラース国際香博物館(MIP)」の付属の香料植物園を散策しながらベンチで休憩する大沢さん。「私の中で、”南仏の新宿御苑”と勝手に呼んでいる場所で、グラース滞在中は必ず訪れます。かぶっているハットは、強烈な日差しのため、植物園で貸してくださるもの」

カンヌのヨットハーバーに面した、アパルトマンのベランダで撮影した一枚。お菓子は前の晩のディナーで、エスプレッソについてきたメープル味のクッキー。

カンヌの社長宅のテラスで一服立てて差し上げた時のもの。お菓子はとらやの一口サイズの羊羹を持参。

カンヌ滞在中の様子。「マルシェで食材を買い、夕方から一人飲みのパーティをしているところです」

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