フォトグラファーの目黒智子さんが実践している、動物性原料を使わない野菜中心の食生活。仕事柄、外での食事は特にこだわらず、自宅での食事だけを無理なくできる範囲でという、緩いものだそうです。今回はそんな目黒さんの菜食自炊日記を、菜食との出会いとともにご紹介します。
日々健康に気をつけていたタイプではないのですが、自粛期間中にネットフリックスでドキュメンタリー『ゲームチェンジャー スポーツ栄養学の真実』を観たのがきっかけです。 単にヴィーガンというのではなく、いろいろ説明があり、やってみたらどうなるんだろうと興味が芽生えて。完璧にやろうと思うと続かないので、動物性のものを食べたくなったら食べてもいいという、緩やかな菜食生活です。
これまでは、豚肉なら生姜焼きとか、なんとなくメニューを決めてしまっていましたが、菜食生活を始めてからは 逆に料理のレパートリーも広がりました。味付けも鰹とか鶏ガラといった動物性の出汁だとわかりやすく、それなりに味も決まりますが、そこに頼りすぎていたかなと。動物性の出汁を使わないことで味付けに工夫するし、ヴィーガンのレシピ本に出ていた初めての調味料を試してみたら、『この味、意外と好き』という発見があったり。食べる食材の種類は減ったのに、新しい味との出会いで逆に料理のバリエーションが増えました。家に動物性食品を置いてないというだけで、仕事中の食事は何でもいただきますし、もし、動物性食材が食べたくなったら食べるつもりです。ただ、 今は菜食にとても興味があるし、調子がいいので続けています」
菜食自炊日記
めぐろともこ
本誌をはじめ、女性雑誌やWEBマガジンなどで活躍するフォトグラファー。大人の女性の魅力を引き出す写真に、 編集者からの信頼も厚い。料理上手な夫と共に、菜食生活を実践中。
『ku:nel』2020年11月号連載
写真 目黒智子 / 取材・文 黒澤弥生